20年ぶりのシリーズ第4弾。まさか、今世紀に入ってランボーの新作に出会えるとは思っていませんでした。昨年の『ロッキー・ザ・ファイナル』の時は、エキシビジョン・マッチだったから、何となく現実味を帯びていましたが、今回のランボーは現役バリバリですからな。こんな元気な復活は、同じ世代としては嬉しいものがありましたね。
予告編を観たら、大体のストーリーが分かってしまって、あまりに単純な話にちょっとガッカリしてしまったんですが、いざ本編を観てビックリ。ナンですか、このリアルな残虐描写は! 今までのシリーズにも、多少の残酷なシーンはあったものの、それはあくまでも、エンターテインメントとして話を盛り上げる為の手段であったのに対し、今回のは、まるでドキュメンタリー映画を観ているようなリアリズム溢れる描写に驚きかつ、冷水を頭からブッ掛けられたような感覚で、その大胆な手腕に思わず拍手を送りたくなりました。スタローンって、監督としてこんな才能があったんですね。
ランボーは今回、むしろ脇役的な感じで、今までの「オレがオレが」調でないのも意外でした。これはやはり、ミャンマーの現状に対しての、実際のアメリカのスタンスをそのまま反映させたものという事では、しごく当然の帰結なんでしょうね。それを上手く描写したスタローン監督には、またまた拍手ですな。
最近の戦争映画のトレンドとして、リアルな描写が蔓延ってるようですが、それをまさかランボーが取り入れるとは、時代も変わったものですな。最後に敵を打ち倒しても、全然スカッとしないこの何とも言えない後味の悪さがまた格別なんですが、まるで1作目のオープニングのようなエンディングが、一種の清涼剤になってるようで、スタローン監督、最初から最後まで冴えまくっておりましたね。(★★★★)
John Rambo
カラー/2.35/ドルビー・デジタル/90'00"
●TOHOシネマズ梅田・シアター3/ネット先売券(¥1200)/約5分の3(21:00からのレイトショー)

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