World Invasion:Battle Los Angeles
ここ何年か連続して“エイリアンものSF”が公開されて、ちょっとしたブームになっていたようで、今年も『スカイライン―征服―』や『スーパー8』等が公開、それなりに話題になっていた最中、今年一番のメイン作品だと謳われていたのが本作。震災の影響で公開が半年伸びてしまった事もあり、余計期待に胸が膨らんでいたものだったけど、ワクワクしながらいざ観てみると…。
本命視されていたのはどうやら勝手な思い込みだったようで、これは何と言うか、完全に戦争映画ですな。ま、『ID4』を持ち出すべくもなく、この手の映画は戦争映画のスタイルになっているものも多く(『スター・ウォーズ』だって戦争映画のテイスト満載だったし)、それに関しては別に問題無いんですが、この映画のように接近戦、しかもほとんどが銃撃戦オンリーというのはSF映画にしては珍しいですな。なので、余計に戦争映画、それも一個小隊の戦闘を描く緊迫のドラマとしてのイメージが強く、これ、舞台を中東に置き換えたら、そのまま『ブラックホーク・ダウン』になってしまうような、そんな映画でしたな。
そもそも、敵であるエイリアン自体が、銃撃でしか攻撃して来ない(空爆等も多少はありましたが)というのが、ナンか拍子抜けって感じで、あんな方法で地球を征服出来るものなのかと、まずはそのやり方自体に疑問を感じてしまいました。当然ながら、映画としてのスケール感も、SF映画特有のスペクタクル感はほとんどなく、本当に戦争映画を観ているみたいで、ナンか期待はずれ。もっと派手で迫力あるエイリアン大戦ものだと思っていたんですが…。
実際、これは好みの問題でもあるんですが、ワタシ自身『ブラックホーク・ダウン』系統の接近戦オンリーの実録的戦争映画って、あまり好きではなく、面白いと感じた事がないので、敵が中東の国からエイリアンに変わっただけ(敵の姿が“敵”と分かり易いのが唯一の取り柄かな)のこの映画の設定やストーリー展開にも、同様な感想を持ってしまうもので、これだったらまだ一市民とエイリアンとの攻防を描いた『スカイライン』の方がずっと緊迫感があって面白いという印象を受けましたですな。
このあとまだ『カウボーイ&エイリアン』ってのもあるようで、今度はソチラに期待してしまう訳ですが、このブームはいつまで続くんでしょうかねぇ。そろそろ決定打が出て、終止符を打って欲しい気もするのですが。(★★)
カラー/デラックス・プリント/パナヴィジョン(カメラ&レンズ)=2.35/ドルビー・デジタル/DTS/SDDS/116'11"
●TOHOシネマズ梅田・シアター2/ネット先売券(¥1100)/ガランガラン(21:30からのレイトショー)

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