ゾンビ・ファン待望、ゾンビ映画の大御所ジョージ・A・ロメロ監督による“リビング・デッド・シリーズ”最新第4弾の登場であります。嗚呼、生きてて良かったとも思える、まさに待ちに待った映画です。
敢えて結論から言わせて貰いますと、この映画、ハッキリ言って、映画としてはつまらないです。面白くないというか、部分的には面白い所もあるのですが、映画の水準としては、大した出来ではないんですな。
元々ロメロ監督って、演出が下手クソなんですワ。それはゾンビ映画から離れた『ザ・クレイジーズ』や『クリープショー』なんかを観ればよく分かりますね。冗長で退屈するシーンが確実にあり、盛り上げる事をわざと拒否するかのような、テンポをハズした演出が得意なんですな。ゾンビ映画にしたって、『ゾンビ』や『死霊のえじき』など、テンションが下がるシーンが必ず出てきますね。アルジェントと組んだ『マスターズ・オブ・ホラー/悪夢の饗宴』などを観ても、あのアルジェントにさえ負けているんですな、演出力としては…。
だから今回もつまらなくて当然な訳ですが、それでもこの映画が評価できるのは、真っ当なゾンビ映画としての風格と誇りと、そして意地を兼ね備えている事。ロメロが休止している間、色んなエセ・ゾンビ映画が闊歩しましたが、それらに渇を入れる為にこの映画を作ったロメロ監督の荒い息づかいが、画面から聞こえて来るんですな。ハァハァ・ゼイゼイと…。
よく観ろエセ・ゾンビ・ファン(『バイオハザード』や『ドーン・オブ・ザ・デッド』や『アンデッド』を面白いとハシャいでる君たち)、
これがゾンビ映画だ!!!
(★★★★★)
Land of the Dead
【カラー/2.35(SS)/ドルビー/dts/SDDS/92'43"】
●OS劇場/約4分の3/前売券(¥1300)/10時30分からの1回目

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