Godzilla:King of the Monsters
2014年に作られたゴジラに次ぐ海外版ゴジラ第2弾。因みに以前のエメリッヒ版ゴジラは無かった事になっている。14年版はクライマックスが真っ暗で、何が映っているのか全然分からなかったですな。そういう意味では、今回はまぁまぁ面白かったんですが、全体的な感想としては、何もかも中途半端でいい加減で曖昧ですな。ナンか強引に怪獣ユニバースに仕立て上げようとする、その精神に不満を感じさせますな。
古代の怪獣を目覚めさせようったって、そもそも怪獣が古代に存在したっていうのがトンデモですからな。恐竜ならまだ分かるのですが怪獣って…。別にいきなり出て来ても構わないんですけどね。まぁそれは百歩譲るとして、その怪獣を殺すのか生かすのかがまた曖昧で、そんな事で悩んでないで早く殺せと思っていたら結局殺す事になり、その武器がオキシジェンデストロイヤーって、一体どこからそんな武器が出て来るんですか。しかも倒せたのが1匹だけで、結局、モンスター・ゼロは宇宙怪獣という事が判明する訳ですが、そんな事は百も承知でしょうに。今更何を言ってるんだか。真面目にやってるのかフザケてファン・サービスの為にやっているのか、もうワケワカ状態ですな。世界中に17体もの怪獣がいるという事が分かってるって言ってましたが、画面に映るのはギドラやモスラやラドンだけで、他の怪獣は姿さえも見せない(コングだけはちょこっと映ってましたが。他の奴はクモンガの出来そこないだけ…)というのも何だかなーって感じですし、死んだと思っていたゴジラが結局生き返って、最後はモスラと協力してヒーローになるって…これまたいい加減ですな。ハッキリ言って何がやりたいのかサッパリ分からない映画ですな。人間ドラマの方も、騒動の原因になった女性の博士の行動も不可解極まりないし、最後その娘の生死がどうのこうのって、アレだけ街が破壊されたら人もバンバン死ぬし、テロリストの暗躍(銃撃戦で大量死)もあるし、娘なんてもうどーでもいいような感じになりますな。
結局、平成ゴジラ以降(正確には84年以降)のゴジラ映画に面白い作品が1本もないという現実が未だに続いてる訳で、それを打破しない限り全然ダメだという事ですな。何で、平成のつまらないゴジラ映画ばかり真似するんだろう。昭和のゴジラ映画を参考にすればいいものを。ちゃんとリメイクやリブートすれば面白いものが出来る筈なんですがねぇ。我々は怪獣の出現理由なんていい加減でいいんです。怪獣同士の熱い戦いのシーンが観たいんです。まぁラドンの造形がよく出来ていたのが個人的には良かったですな。ただ、鳴き声はオリジナルと全然違ってましたが。それとモンスター・ゼロことキングギドラ。こいつも鳴き声が違う時点でダメダメ。やはりあの科学特捜隊の電話と同じ声でなきゃ。エンド・クレジットで「モスラの歌」や「ゴジラのテーマ」を流す暇があったら、もっとオリジナルに敬意を表した映画にしなくちゃ。この辺りもいい加減で曖昧ですなぁ。
次はコング戦らしいですが、つまらない事が分かっていても、また観に行くんでしょうなぁ。ワタシの宿命ですからな。せめて今度こそ、面白いものを作って欲しいものですな。ワタシも長くはないですからな。死ぬまでに1本ぐらい面白いゴジラ映画を。もう『キングコング対ゴジラ』のまんまリメイクで結構です。宜しくお願い致します。(★★)
★東宝配給/カラー/2.35/ドルビー・アトモス/132分
●TOHOシネマ梅田・シアター1/ネット先売券(¥1400)/9:20からの1回目(約4分の3)

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