10年ぶりとなる待望のシリーズ4作目。昨年の『16ブロック』が、“ダイ・ハード3.5”的な前座作品だっただけに、余計期待も高まるというもので、ワクワクしながら公開、そして開映を待ったものでありました。こんなにワクワクしたのは、久しぶりって感じですな。
結果は上々どころか、シリーズの水準を決して落としていないような出来で、充分満足出来るというか、これ程面白く仕上がっているとは思ってもいませんでした。その意外な程の面白さに、面食らう事多々ありましたね。唯一心配した50歳を越えたブルース・ウィリスのアクションぶりも、杞憂に終わったようで、ここまで動いてくれたら大満足。その元気さにも天晴れ、ですな。
シリーズものの宿命で、どうしても過去の作品と比べてしまうものですが、主人公ジョン・マックレーン刑事の歴史を感じさせるテイストを上手く取り入れているのも良く、あくまでも生身の身体を張ったアクションに徹しているのにも好感が持てました。限定された空間からの脱却は前作でテスト済みで、今回はさらに発展させているのがイイですな。そもそも2作目だって、空港以外の場所でも展開していた訳で、限定空間でのアクションがこのシリーズの専売特許と思われるのは間違いなんですな。尤も、1作目のあのテイストが、原点になっている事は事実ですが。
このシリーズのもう一つの特長であるパニック描写も、サイバー・テロという新手のパニックとして上手く描かれていて、国家的危機感が漂っていたのもスケールの大きさを感じさせてグッドではありました。悪役が徹底的に悪く、それでいて強大であった方がアクション映画としては盛り上がるというツボがちゃんと押さえられている所もイイですな。
その国家存亡の危機を、一介の平刑事がほとんど一人で救ってしまうというのは、あまりに絵空事過ぎるというのもごもっともな意見ですが、映画を観ている間じゅう、そんな事は一切感じさせないように作られているのが、強引というか荒業というか、大したものですな。まるで昨年の『MI:3』みたいな強引さで、これだけ勢いがあると、細かい事に突っ込むのもヤボったくなってきますな。ただ、F-35の攻撃シーンは、「おい、ちょっと待て!」と言いたくなりましたが、あれもギャグの一つだと思えば、笑って許せる所でしょうな。
という訳で、メチャクチャ面白かった映画には違いなく、こういう無邪気で節操の無い映画は大好きですね。むしろ、中途半端じゃなく徹底的にやってくれている所に潔さを感じましたね。多分、今が70年代で入れ替え制じゃない映画館だったら、1日じゅう映画館にいて、何度も観ていたと思います。それ程、何度でも観たいワタシ好みの映画でした。 (★★★★★)
Die Hard 4.0
カラー/2.35(S35)/ドルビー/DTS/127'12"
●ナビオTOHOプレックス・シアター1/先売券(¥1000)/満席(10:00からの1回目)

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