2009/1/18

ウィーンの蝙蝠  LPレコード


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USA London LLP 281/82 1951 2LP


今更ながら聴いて良かったと思ったのは,C.クラウスのJ.シュトラウスです。御存知の通りニューイヤーコンサートの創立者であり1941年から始めました。巨匠最後に成った1954年の新年コンサートはSP盤の復刻で評価の高いopus蔵のCDで聴く事が出来ますが本題は,そこではなく「こうもり」全曲についてお話しましょう!私が所有しているレコードは残念ながら英盤ではなく米盤のロンドンレーベルですがスタンパーは英.デッカ製作ですので殆ど音響上は英盤同等と判断致します。録音は1950年で発売は翌年でした。これを聴くと演奏様式が現在と違う事が判ります。ラトルやムーティで聴くウィーンフィルは往年から比較すると優美さが後退している様に思えます。現にピッチにも変化があり標準に近くなった事から3年程前にはベルリンフィルと合同演奏と言う快挙を成し遂げました。これを進歩と見るかは難しいですが各国の楽団がお国訛りを忘れ標準化するのは寂しいですね!国際的に無個性化が進んでいるのでしょうか?しかし芸術は個性が在ってからこそと思います。誰も普通の人にお金を払いたいとは思いません!ここではウィーン情緒がまだ残る演奏が聴く事が出来ます。序曲からして違います。小気味が良く強音でも鋭角的に成らず軽快な演奏です。歌手達は当時ウィーンをホームグランドとして活躍していた人ばかりです。紹介しますと,アイゼンシュタインは,ユリウス パツァーク、ロザリンデは,ヒルデ ギューデン、アルフレートは,アントン デルモータ、ブリント博士・アウグスト ヤーレッシュ、ファルケ博士・アルフレート ペル、アデーレ・ヴィルマ リップ、オルロフスキー公・ジークリンデ ワーグナー、フランク・クルト プレーガー、それにウィーン国立歌劇場合唱団です。オペレッタですが,グランドオペラ形式で上演される機会の多い作品です。現在では,J.シュトラウスの代表作とされますが,ウィーン初演は大失敗でした。それでも現在聴く事が出来るのはベルリンでの再演が当たったからです。それからパリで当たった事により不動の地位を築いた様です。地元で当初,評判が悪いのは,よくある話です。一幕から実に品の良い歌唱が聴けます。アデーレを歌うリップは当時,モーツアルトの「魔笛」で夜の女王を演じれば代表格のコロネチュラソプラノでした。事実ザルツブルグでも歌っておりフルトヴェングラーとも協演して居ます。アデーレはアイゼンシュタイン家のお手伝いさんで軽い役と思われがちですが,第二幕には,難易度の高い有名なアリアが在ります。つまり第一幕は,ウォーミングアップみたいなものですね!他の歌手も壷にハマっていて違和感は在りません!第二幕は出演歌手全にテンションの高さが要求されます。お祭り騒ぎの様な幕ですからね!そこで道化役と成るのがオルロフスキー公です。こちらでは,ジークリンデ ワーグナーが歌って居ます。近年では,テノール歌手が演じる事もあり,珍しい処では,ヘンデンテノールのW.ウインドガッセンが歌った盤も在ります。私が観て(聴いて)驚嘆したのは,ヨッフェン コワルスキーと言う元東独のカウンターテノールです。余り強烈だったので,ジークリンデ ワーグナーには悪いのですが物足りなさを感じます。この幕は聴き処満載で,ハンガリーの貴婦人(実はロザリンデ)は,ヒルデ ギューデンですが劇中歌うチャルダッシュも聴き物です。特有の足を踏みしめるリズム感が弱いのが残念ですが,ウィーン風とは,そんなものかも知れません!それから仲良しワルツを歌ってからは乱痴気騒ぎに成るかワルツを踊って, まったりするのが慣例になっております。前者の場合は「電光と電雷」が演奏される事が多く後者は代表的なワルツから選ばれます。ここでは「春の声」が選曲されています。ウィーンのアンサンブルは.K.ベームが創り上げたと評価家は評しますが,歌手達の間では,J.クリップスであると言うのが定説の様です。E.シュヴァルツコップも力説しています。察するにリハーサルはクリップスが合理的であり簡潔で,ベームは厳格極まりなかったので歌手達の自発的なアンサンブルを創れなかったと推定されます。続く三幕は前幕の余韻を楽しむ様なもの,画してJ.シュトラウスのオペレッタ「こうもり」全三幕の幕は閉められるのでありました。こちらの演奏は,私が常々お話をするヴァイオリンのウィーン式奏法が随所に聴き取れます。アリアが終わる度にタタタン!と終わらせたり、早いテンポで捲くし立てる箇所がそうです。音がスパッ!と斬れたり早い箇所がスタッカート気味に成るのが特徴です。



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