2013/5/7

アーベントロートのブラームス  指揮者


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TokumaJapan TKCC-15053 CD 1999


ヘルマン・アーベントロートが指揮したブラ―ムスの交響曲第1番である。楽団は、ライプツィヒ放送管弦楽団だが、極めて純ドイツ的な音色に感心しつつも演奏そのものは、個性が強く現在では、相当風変わりのものである。収録は、1949年10月20日にライプツィヒ放送局SRKホ―ルで行われた放送用の録音である。気になる音質も良好なので、充分、演奏を堪能出来るが、初めて聴いた時は、はっきり面食らったものである。巨匠の演奏様式としては、メンゲルベルクにフルトヴェングラーを掛け合わせた様なものと揶揄される事も在るが、それにしても特有の個性が在る。フルトヴェングラーの場合は、曲の造型に対してデューナミクの収縮で構成を決めているが、メンゲルベルクの場合は、小節事に設計をすると言う特色が在る。どうやら巨匠の演奏を聴いていると後者に近いようだ!それにしても聴いていると面白い演奏だ!序奏は、意外と蒼白だ!だが、どんどん濃厚に成って行くのは正に巨匠ならではである。主部への移行も割りと普通だが、小節が進む事に「ん?」てな状況になる。其れは主題事にテンポやアキュレーションの扱いが、ガラリと変わるからだが、ルバートの掛け方も「本当は、気まぐれにやってるんじゃないの?」と思えるほど自由自在である。感心するのは、そんな鋭角的な改変でも楽員達が、寸分の乱れも無く尽いて行くところだ!其れも燻し銀の様な良い響きで応えてくれる。第2楽章も基本的には同じだが、此方は、ロマンティックの境地と言った演奏だ!揺れ動くテンポ感もとても効果的だ!しかも感情移入も素晴らしく、聴いていて身が詰まされる思いがする程である。この楽団の純ドイツ的な深く味わい深い音色も最高である。第3楽章は、割とさらりと扱っているが、反面とても充実しており有機的な響きが安定性を示している。終楽章の出だしもそんな感じだが、ピッチカートで主題を演奏する箇所のテンポは、まるで何かを探るように細かい動きをする。この楽章は、良くも悪くも巨匠の特色が出たもので、とても一筋縄で行かないものだ!聴いていて一番びっくりするのは、コーダの手前で、聴いたことの無いテンポ設定をしている事だろう!是には本当に驚愕する。確かに誰でもテンポを動かしたい箇所だが、巨匠の表現は、余りにも風変わりである。外観は、オーソドックスだが非凡な演奏だ。この演奏に嵌ると他の演奏が物足りなくなる。

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