2012/1/20

バックハウスのベートーヴェン Part.2  器楽曲


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King-Londn(Decca) MZ 5002 LP 1969


鍵盤の獅子王ことウィルヘルム・バックハウスが弾いたベートーヴェンのピアノ・ソナタである。尚、巨匠のレコードを御持ちの方は、御存知かも知れないが、英.Deccaには、ベートーヴェンのピアノ・ソナタの全集が、モノーラルとステレオ録音双方に在る。此処では、旧全集であるモノーラル盤を紹介する。どちらが良いかは、個人の好みかも知れないが、私は、旧全集の方を好む。何故かと言えば、後年のものと比べて巨匠が嘗て技巧派として腕を鳴らした面影を知るには、とても最適なレコードで在るからだ!其れと言うのも奏者は、年齢と技巧に対して密接な関わりが在るからなのだが、巨匠とて例外では無い!特に高齢まで活躍した奏者には、影響が出るのは、考えなくとも当たり前である。確かにこの頃の巨匠には、まだヴィルトゥオーゾ的な感覚が残っている。其の点では、作曲家のベートーヴェンとてピアニストとしても即興の大家として有名だったので尚更だと思う!前置きは、此処までとして演奏の感想を述べよう!曲は、4・5・6番のピアノ・ソナタである。最初に4番だが、この曲は「恋してる女」との俗称が示す様に作曲家の感情の発露と成っている作品でも在る。第1楽章の素朴な鮮やかさは、聴いていると乙女の弾んだ気持ちを表しているかの様だが、絶えず音が丸く転がり回る感覚は微笑ましく急に差し込む暗雲も思春期の女性の様である。同時に御茶目な描写も散りばめられている。第2楽章の物思いに耽る表現も音に優しさを感じる。一見、淡々と弾いている様で内面性を素直に表している。第3楽章も揺れ動く乙女の心情を良く表した描写が、とても素敵だ!終楽章の優しい表情も聴き手の方が「恋してる女」の気持ちに感情が同化する様な処が在る。そして「乙女の気持ち」ってそんなものなのかな?なんて空想している内に曲は終わる。第5番に至っても巨匠特有の無骨さが在るが、素朴な味わいを感じる演奏で、しっとりと曲に浸透する様は良いものである。其れは、第6番も然りだが、此処には鍵盤の獅子王と揶揄されたバックハウスの真髄を聴くべきものがある。

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