中国は古来から港湾都市国家でも有ったのです。つまり広大な中国を俯瞰すれば、都市部は河の流域につくられ、そこは農業耕作地として適し、更に物資の集散地とか人々の交通に便利で有り、利用発展したので有る。人々の集う場所は即都市部(城市)として発展し、何度も興亡を繰り返したのです。
中国では河と言えば普通「黄河」を表し、江と言えば「長江、日本では揚子江」を表すので有るが、歴史の舞台となった場所は常に河(江)が関係していたのです。ちなみに中国の地名を見れば河(河)、江、水等にちなむ名称が多いのです。例えば、〜江、〜臨、〜浦、〜曲、〜湖等々は全て水に関係しているのです。
写真は長江の下流部に出来た上海市を帆走する「ジャンク」で有る。ジャンクと言えば船には眼が有るし、船腹に三色模様が有るのです。眼が有る船は香港では「大眼鶏」と言われる漁船(エビ取り漁船)に多いのですが、上海市でもジャンクが見られのです。
ジャンクは日本の和船(例えば千石船)と比較して帆走性能が良く、更に数々の優れた点が有ると言われる。特に特徴的な点は、船倉がマッチ箱を並べた様に区切られていて、浸水に対しては強いと言われる。つまり一ヵ所が破れても直ぐには沈没しないと言う最大の特徴が有るのです。これは中国人の世界的な発明で有って、航海好きなアラビア人にも伝わったと言われる。
写真から分かるように船尾が高く、これは追い風の時は揺れが少なく有利で有ると言う。詳しい理論的な事は知らないが、香港のジャンク(広東省)の舵には、菱形の孔が有って、この孔が方向転換する時に、水の撹乱運動が働き、水の抵抗が大になって方向転換に有利で有ると言われる。しかしながら我国の千石船との決定的な違えは、帆が複数有ると言う事で、これは向かい風に向かって、帆走出来る事に有るかと思うのです。帆も又特徴が有って、縦に入れた竹が上げ下げを容易にすると言う。
ジャンクの外観的な特徴には、船体が三色に塗り分けられていて、喫水線が水色で、その上が緑色、下が赤褐色で有る。さらに船首の両側には眼が書いて有り、普通は「太極図」で有る様です。これは儒教の太極と言うよりは「呪マジナイ」かと思われる。水上に生きる人々は呪いを信ずる事は常人以上だと言われるのです。

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