中国には友人が多数いるが、いわゆる「文革」を経験(紅衛兵)した者も多くいるし、それぞれの心には消しゴム等では消せぬ傷跡が有る様です。武闘も有ったし誰が攻撃側で誰が攻撃された等は、一切禁句で有ってこちらから望んで聞いた事も無い。
しかし永年滞在すれば、断片的ながら彼等の経験した話等は洩れ聞こえて来るのです。無賃で汽車に乗り遠征した話や、食事の無償提供を受けた事や、破壊活動に加わった事等々が分かるのです。有る友人の祖父は、日本に留学し「航空機エンジン工学」を学んだと言うだけで、牢獄に入れられ狂死したと言う。
写真は紅衛兵達が四旧と言われる古籍、文物、字画、塑像、名勝古跡等を破壊している写真だが、この60年代は混乱と破壊の連続で、革命とは荒々しくも迫力の有るものの様です。書籍や絵画、塑像(仏像等も有ったと思う)等が集められ、全てが破壊されてしまったのです。有る者の話によれば、攻撃対象の家には沢山の蔵書が有って、これ等も否応無く運び出され破れ捨てられてしまったと言う。
中国の歴史は悠久で有ると言う言葉は、中国人自身が好んで使う言葉では有るが、確かに破壊の後には、必ず新世の中国が誕生してる様です。文革とは生みの苦しみで、これが有ったからこそ現在の繁栄が有るのでしょうか。

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