以前に南紹国と呼ぶ国を書いたが、この国こそが大理国周辺を呼んでいて日本文化に酷似していて、なんとなく故郷に帰った様な好い気分になるのです。往古チベット系の遊牧騎馬牧畜民族文化と雲南省に住み着いたタイ系稲作民族が融合し、更に漢民族文化が加わり日本と似た様な文化が誕生したので有る。ただこれを持ってスキタイ文化の影響と合点するには早計では有るようです。しかしながら我々のDNAには僅かでは有るがその痕跡が残っているかも知れない。そうでなければ風景を見を見た時の風の匂いや身震いするような感動についての説明が巧くが出来ない。
この地方は現在民族が混在していて漢族、白族(ペー族)、回族等々で有るが、大理石を産する大理盆地にはアルハイと呼ばれる湖が有って、この湖の周りでは稲作農耕が盛んに行われている。また早くから仏教も入って来たが秘境で有ったから古い形の仏教が残っているのです。また各村は氏族集団ごとに分かれていて、それぞれが自分達共通の祖先を敬っているようです。不思議な事にここでは漢字やチベット文字や梵字等も見られる事です。
有名な「麗江壁画」が有り、この壁画の歴史はそれほど古いものでは無い様だが、それでも明とか清朝時代のもので宗教画としては優れているようです。お茶は高原地帯の季候と相まって渋さの中にも甘露があって特産品としてが優れているのだろう。なにせ見るもの全てに目を奪われるが「玉竜雪山」は神秘的で地上の楽園と言うべきで有ろう。同行した中国人の学者によれば日本の神話や昔話に似たものも多数有るとお聞きしたが何かに圧倒されて全ては虚ろな耳で聞いていたから詳しくは覚えてはいない。
しかしながら、この地方が持っているナニかが雲南省から山岳交易路を経てタイ国の海岸に出て船に乗り日本列島に辿り着いたと思わざるを得ない。この説は絶対間違え無いと秘かに考えている。一人よがりかも知れ無いがそうでなければロマンが無い。

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