山本左近『覚悟と、メシと。』はF1ドライバーの自叙伝。著者はF1ドライバーとして活躍し、その後は医療介護福祉の分野に入る。人生の岐路での覚悟を決めた心境を食事とともに綴っている。タイトルから見るとグルメ色が強そうであるが、メインは半生を振り返る自叙伝である。
医療介護福祉分野は家業を継いだ側面があるが、AIやロボットなどの技術導入に積極的であることはF1ドライバーの経験がプラスに働いている。F1は技術の進化と革新の上に成り立つ世界だからである(151頁)。
さらに著者は病院食や介護食をもっと美味しくしようとするプロジェクトにも取り組む。これは消費者として自然に思うことである。異分野から、特に著者のように覚悟を持った人物の参入は良い効果をもたらす。

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