松本准平『惑星たち』は家族関係に葛藤を抱える二人の男女を描いた小説。冒頭はニーチェの永劫回帰が議論される。永劫回帰は普通のアクションゲームとする(11頁)。何度でもリセットして続く。哲学の難解なテーマを現代的に解説した。
戦争を煽るタカ派政治家が登場する。その本音は「平和を壊して、人類を滅亡に僅かでも近づけること」であった(268頁)。恐ろしく迷惑な考えである。現実に存在しそうなところが恐ろしい。他国との対立を煽ることは必ずしも国民の利益になるとは言えないが、人類滅亡が目的ならば合理的になる。

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