"マークスの山"
昨年、日本映画専門チャネルでの放映を録画して、未だ観ていなかった
「高村薫」原作作品で
「崔洋一男」が監督して映画化した
『マークスの山』を観ました。
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直木賞を受賞した
「高村薫」の同名小説をもとに描いた犯罪ドラマ。
監督は
『月はどっちに出ている』の
「崔洋一」。
暴力団の元組員
「畠山」が何者かに殺害され、警視庁の
「合田」警部補が捜査を担当。
その数日後、法務省の
「松井」が
「畠山」と同じ手口により殺害される。
一見、共通点の無さそうな二人だが、捜査を進めるうち二人の間に、ある一人の弁護士の存在が浮かび上がる……。
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原作の評価が高いので期待して観たのですが、、、
登場人物が多く相関関係がわかり難くいうえに、関連する事件の因果関係も理解できないままエンディングを迎えてしまい… エンドロールが出たときには
「えっ、これで終わりなの!?」という、もやもやした気持ちが残り、物足りなさを感じました。
学生紛争時代の内ゲバでの殺人事件/北岳での殺人事件/南アルプス夜叉神峠での親子心中事件、そして今回の連続殺人事件の因果関係が、映画を観ただけでは理解できないんですよね。
暴力/濡れ場/警察内部の軋轢が強く濃く描かれていて、肝心のストーリーがうまく伝わってこない感じがしました。
ミステリーの要素もほとんどなかったしなぁ。
読んだことはないのですが、長篇の原作を2時間ちょっとの作品に収めるのはムリなのかな。
オープニングでのクルマから脱出した少年がとぼとぼと雪道を北岳の方向に向かって歩くシーン(このシーンは何度もフラッシュバックされますが… )とエンディングでの北岳山頂で
「マークス」が富士山に向かって座り込んでいるシーンは画的に美しく感じ、とても印象に残りました。
この二つの美しい場面が観れたことが唯一の収穫か。
「マークス」の気持ちがもっとわかると感情移入できたと思うけど、残念。
「高村薫」の原作を読んで、もっと理解を深めたい気もするけど、、、
「高村薫」作品は読むのにパワーがいるので、たっぷり時間がないと読めそうにないなぁ。
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監督: 崔洋一
製作: 中川滋弘
宮下昌幸
大脇一寛
プロデューサー: 田沢連二
原作: 高村薫
脚本: 丸山昇一
崔洋一
撮影: 浜田毅
美術: 今村力
編集: 後藤彦治
奥原好幸
音楽: ティム・ドナヒュー
出演:
中井貴一 合田雄一郎
萩原聖人 水沢裕之
古尾谷雅人 肥後和己
名取裕子 高木真知子
小林稔侍 林原雄三
岸谷五朗 山口
西島秀俊 森義孝
前田吟 花房課長
萩原流行 須崎靖邦
岸部一徳 木原郁夫
小木茂光 吾妻哲郎
遠藤憲一 有沢三郎
塩見三省 吉原康
菅原大吉 浅野剛
岩松了 竹内管理官
松岡俊介 佐多
豊原功補 若い頃の林原
角野卓造 佐伯正一
小須田康人 野村久志
寺島進 寺島純一
宮崎淑子 須崎の妻
伊藤洋三郎 松井浩司
井筒和幸 畠山宏
大杉漣 片桐義勝
江口尚希 西山冨美子

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