"WEST SIDE STORY"
昨日、
「午前十時の映画祭」の今週の上映映画
『ウエスト・サイド物語』を嫁さんと観てきました。
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ニューヨークの下町を舞台に、イタリア系のジェット団とプエルトリコ系のシャーク団の無益な抗争と、その中で芽生える愛と悲劇を描いたミュージカル大作。
『ロミオとジュリエット』の構図をウエストサイドのスラム街で展開させたストーリーはシンプルだが、とにもかくにも唄と踊りのダイナミズムに圧倒される(振り付けは共同監督でもある
「ロビンス」)。
『クール』『トゥナイト』『アメリカ』など数々の名曲も素晴らしく、アカデミーでは作品・監督・助演男優(
「G・チャキリス」)・助演女優(
「R・モレノ」)・撮影・美術・音響・編集・衣装デザインの他、当然ながらミュージカル映画音楽賞を受賞した。
そして何より、マンハッタンを見下ろした俯瞰図の導入部を始めとした、70mmの大画面を活かしきった画面構成が光っている。
ソウル・バスによるタイトル・デザインも秀逸だ。
2002年に
<ニュープリント・デジタルリマスターバージョン>としてリバイバル上映された。
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ずーっと昔にビデオで観たことがあるのですが、、、
冒頭のダンスシーンと
「レナード・バーンスタイン」の音楽しか印象に無く、ストーリーも
『ロミオとジュリエット』の現代版… といった程度の印象しかなかったのですが、改めて劇場で観て、ダンスや音楽だけでなく、映像や総合的な演出含め、圧倒された作品でした。
50年も前に、こんな作品が製作されたなんて凄いなぁ… と感じましたね。
ミュージカルって、明るく楽しい映画… というイメージがありましたが、、、
本作品は、移民への差別や下町での劣悪な環境、そして憎しみの連鎖による悲劇等が巧みに描かれていて、今までのミュージカルに対する印象を変えてしまう作品でしたねぇ。
そして、今回、スクリーンで観て、特に印象に残ったのは、オープニングシーンとエンディングシーン。
この演出が堪らなく良かった。好み。
オープニングは約4分間の音楽とニューヨーク・マンハッタンの街並みを俯瞰するイラスト… 音楽が終わるとともに、イラストは自然に映像に変わり、音楽もなくクレジットもない静寂の中、視点はウエスト・サイドへと寄りながら徐々に拡大し、公園にいるジェット団のリーダーの顔をアップにする。
リーダーのフィンガー・スナップがパチンと鳴り次々と仲間がそれに続く… いやぁ、本当に印象的なオープニングです。
そして、感動のラストシーンの後のエンドロールが、これまた凝ってました。
ニューヨークの下町の壁やドアに描かれた落書きに混じってクレジットが白い文字で書かれていて、カメラは移動しながらそれらを映し出す。
そして最後の
"END"の文字までも立て看板の一部分を抜き撮ったもので、とても印象的。
工夫しだいで印象的な映像を作れる見本ですね。
映画って、やっぱりイイですねぇ。
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監督: ロバート・ワイズ
ジェローム・ロビンス
製作: ロバート・ワイズ
ソウル・チャップリン
原作: ジェローム・ロビンス
アーサー・ローレンツ
脚本: アーネスト・レーマン
撮影: ダニエル・L・ファップ
作曲: レナード・バーンスタイン
音楽: アーウィン・コスタル
シド・ラミン
音楽監督: ジョニー・グリーン
タイトルデザイン: ソウル・バス
出演:
ナタリー・ウッド マリア
リチャード・ベイマー トニー
ジョージ・チャキリス ベルナルド
リタ・モレノ
ラス・タンブリン
タッカー・スミス
デヴィッド・ウィンターズ
トニー・モルデンテ
サイモン・オークランド
ジョン・アスティン
ネッド・グラス

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