「『苦いオードブル』 レックス・スタウト(著), 矢沢聖子(翻訳)」
■読書
「レックス・スタウト」の長篇ミステリ作品
『苦いオードブル(原題:Bad for Business)』を読みました。
「コリン・デクスター」の
『カインの娘たち』に続き、懐かしいハヤカワポケミス(ハヤカワ・ミステリ、HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOK)版です。
-----story-------------
老舗食品会社は揺れに揺れていた。
看板商品である瓶詰オードブルへのキニーネ混入事件が続いたのだ。
苦くて食べられない製品に、評判はがた落ち。
しかもその騒動のさなか、今度は社長が殺される。
第一発見者は、キニーネの件を調査してい
「たエイミー」。
女性探偵
「ドル・ボナー」の事務所で働く新人の彼女は、あまりの事態に動転し、偶然知り合った
「テカムス・フォックス」に助けを求めた。
名探偵として鳴らす
「フォックス」は、彼女を窮地から救うべく、ニューヨーク中を駆けまわる。
巨匠
「スタウト」が生んだもうひとりの名探偵
「テカムス・フォックス」颯爽登場。
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やっぱり、憧れのこれっ ですよねっ、、、
小口と天・地が黄色に染めてある、懐かしいハヤカワポケミス版… なんだか、持っているだけで嬉しい感じです。
名探偵
「テカムス・フォックス」シリーズの第2作目にあたる作品…
「レックス・スタウト」作品を初めて読んだので、もちろん、本シリーズも初めてです、、、
1930年代後半から1940年代前半のニューヨークを舞台に描かれた、ちょっとハードボイルドっぽい印象のあるミステリ作品でした。
オードブルの缶詰を作っている老舗企業ティングリー・ティットビッツ社製の缶詰にキニーネが混入される事件が起きた… 調査の依頼を受けたボナー&ラフレー探偵事務所の新人女性探偵
「エイミー・ダンカン」はティングリー・ティットビッツ社を買収しようとしているP&B社の副社長
「レナード・クリフ」を調査していたが、
「エイミー」の伯父でもあるティングリー・ティットビッツ社の社長
「アーサー・ティングリー」の指示で事件の調査から外されてしまう、、、
しかし、その後
「アーサー」から力を借りたいという電話があり、オフィスに行ってみると
「アーサー」が喉を切られ、血の海の中で死んでいるのを発見… さらに、その場で
「エイミー」は何者かに殴打されて気を失ってしまい、意識が戻ったのちに慌てて自宅に戻り、探偵
「テカムス・フォックス」に助けを求める。
「エイミー」に好意を抱いていた
「フォックス」は、
「アーサー」の殺害事件と、殺人事件に関係すると思われる缶詰へのニキーネ混入事件の真相を探るため、早速、捜査に乗り出す、、、
「エイミー」が
「アーサー」の死体を見た前後にティングリー・ティットビッツ社のビルに入った、もしくは近くにいた人物… P&B社の副社長
「レナード・クリフ」、メトロポリタン・トラストの社長
「ガスリー・ジャッド」、そして
「アーサー」の養子
「フィリップ・ティングリー」が容疑者として浮上するが、それぞれが別な理由があって、ティングリー・ティットビッツ社に行ったことを否定しますが、
「フォックス」は事件の背景となった人物の隠された相関関係(親子関係)等を徐々に明らかにして真相に近付きます。
この三人のうち真犯人は誰? とミスリードされつつ、実は社内(部下)に真犯人がいたという展開でしたね、、、
自分たちで育て上げた会社を護りたいが故の犯行だったとは… 意外な人物が真犯人でしたが、ティングリー・ティットビッツ社の製造責任者
「G・イェーツ」の証言は疑わしい感じがしていたんですよね。
1940年代という古き良き時代… ノスタルジックで小粋な雰囲気に浸りながら読めたので、現実逃避できて良かったな。
以下、主な登場人物です。
「テカムス・フォックス」
探偵
「エイミー・ダンカン」
ボナー&ラフレーで働く新人女性探偵
「トル・ボナー」
エイミーの上司
「アーサー・ティングリー」
ティングリー・ディットビッツ社の社長
「フィリップ・ティングリー」
アーサーの養子
「ソール・フライ」
ティングリー社の営業部長
「G・イェーツ」
ティングリー社の製造責任者
「キャリー・マーフィー」
ティングリー社の従業員
「レナード・クリフ」
P&B社の副社長
「ガスリー・ジャッド」
メトロポリタン・トラストの社長
「ナット・コリンズ」
弁護士
「ジョゼフ・デーモン」
ニューヨーク市警察の警部
「スキナー」
地方検事

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