「有栖川有栖」の長篇ミステリ小説
『マレー鉄道の謎』を読みました。
気にはなっていたけど、読んだことのない
「有栖川有栖」作品… 期待して読みました。
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マレー半島を訪れた推理作家
「有栖川有栖」と臨床犯罪学者
「火村英生」を待ち受ける
「目張り密室」殺人事件!
旧友
「大龍」の招きでマレーの楽園、キャメロン・ハイランドを訪れた
「火村」と
「有栖川」。
二人を迎えたのは、舞い飛ぶ蝶ならぬ
「殺人の連鎖」だった。
ドアや窓に内側から目張りをされた密室での犯行の嫌疑は
「大龍」に。
帰国までの数日で、
「火村」は友人を救えるか。
第56回日本推理作家協会賞に輝く、国名シリーズ第6弾。
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探偵役である臨床犯罪学者
「火村英生」と、ワトソン役の推理作家
「有栖川有栖(アリス)」のコンビが活躍する作家
「アリス」シリーズの作品… その中でもタイトルに国名を冠した作品は特に国名シリーズと呼ばれており、本作品は国名シリーズの第6弾となる作品、、、
旧友
「衛大龍(ウィ・タイロン)」の招きによりプライベートでマレー半島を訪れた二人が密室殺人に出くわし、犯行の容疑をかけられた
「大龍」を救うために活躍する物語です。
■フラッシュ・バック
■第一章 キャメロン・ハイランドへ
■第二章 雲の影
■第三章 封印された死
■第四章 フィールド・ワーキング・ホリデー
■第五章 増殖する謎
■第六章 蓮の庭で
■第七章 赦されざる者
■終章 夜間飛行
■あとがき
■文庫版あとがき
■解説 鷹城宏
■有栖川有栖 著作リスト
実業家でキャメロン・ハイランドに豪邸を構える
「百瀬虎雄」の敷地内にある使われていないトレーラーハウスで、
「百瀬」家のメイドとして働いている
「シャリファ」の兄
「ワンフー」の死体が発見される… トレーラーハウスには鍵はないものの、ドアや窓は全て内側から粘着テープで密閉してあり密室状態となっており、遺体は車内のキャビネットに押し込まれ胸にナイフが刺さった状態で発見された、、、
他殺であれば脱出経路が不明であるが、自殺にしては不自然であることから、現地警察は数日前に
「シャリファ」のことで
「ワンフー」とトラブルのあったバックパッカー
「津久井航」に容疑を向ける… しかし、事件後に行方不明となっていた
「津久井」は、
「百瀬」家の近所の廃屋で絞殺死体として発見され、廃屋に残された手袋にはトレーラーハウスの密閉に使用した粘着テープの跡と、
「津久井」を絞殺した紐の跡があり、二人の殺人は同一人物の犯行と思われた。
さらに、密室トリックを暴いたと吹聴しており、本事件の真相について
「火村」、
「有栖川」との意見交換を予定していたイギリス人作家
「アラン・グラッドストーン」が撲殺され、遺体の近くには
"100"か
”OOI”と読み取れるダイイングメッセージが遺されていた…
「大龍」の苗字
「衛(ウィ)」は
「OOI」という綴りだったことから、警察は
「大龍」に疑いの目を向ける、、、
「火村」と
「有栖川」は、親友を窮地から救うために帰国までの残された限られた時間で真相を究明するために奔走する… 民間人である素人探偵に警察が安易に情報共有や協力をしてくれたり、トレーラーハウスで凝った密室トリックを行ったり等、リアリティの薄い設定でしたが、本格ミステリでは定番の二人のコンビが、丁寧に事件を解決してくれるので、わかりやすくて愉しめる新本格ミステリに仕上がっていましたね。
それにしても… 自らの成功のために、一緒に事業を推進していた二人を殺害していた過去を持ち、今回の三人の殺害に手を下した男は赦せませんが、、、
親の仇とはいえ、遠まわしに事件が起きるように誘導し、自分は安全な場所にいて、自らの手は汚さずに復讐を果たした男の方が赦せませんね… でも、倫理的には赦せないですが、法的には罰することができないんですよね、悔しいなあ。
本シリーズ、初めて読みましたが、面白くて愉しめました… 他の作品も読んでみたいですね。

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