「阿川佐和子」の長篇小説
『スープ・オペラ』を読みました。
『ウメ子』に続き
「阿川佐和子」作品です。
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独身女性と男性二人。
一つ屋根の下で繰り広げられる三つの心とスープの行方――。
とびきりキュートな物語。
「ルイ」。独身。35歳。
女手ひとつで育ててくれた叔母さんが、還暦を前に突然の恋に落ちて出奔。
一人残された
「ルイ」の家には、ひょんなことから二人の独身男が転がり込んできた。
初老だけどモテモテの
「トニーさん」と、年下の気弱な
「康介」。
唯一の共通点はスープ好き。
一つ屋根の下で暮らすことになった、そんな三人の関係は。
そして叔母さんの恋の行方は?
温かくキュートで少しだけ辛口の物語。
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新潮社が発行する月刊小説誌
『小説新潮』に連載された作品で、三人の男女の共同生活をメインにした長篇小説、、、
ジャンル的には恋愛小説の要素を持った家族小説 って感じでしたね。
■第1話 トバちゃん
■第2話 残された部屋
■第3話 週末の庭
■第4話 場違いな晩餐
■第5話 父泊る
■第6話 男たちの欠点
■第7話 トバちゃん日記
■第8話 見合い話
■第9話 三人の契約
■第10話 現物支給
■第11話 トバちゃんの帰還
■第12話 ムッシュー・ミゼラブル
■第13話 抜群の相性
■第14話 二人の生活
■第15話 恋愛逃避症
■第16話 トニーさんのギャラリー
■第17話 浮気の始末
■第18話 抽斗のナディア
■第19話 限界妻
■第20話 再会
■第21話 父疑惑
■第22話 三人のベッド
■解説 北上次郎
還暦の恋を迎えた叔母
「トバちゃん」が恋人の男性とともに突然の旅に出てしまい、一人暮しになった35歳の独身女性
「島田ルイ」… 彼女の家に突然上がり込んだのは、2人の独身男性、初老の絵描き
「トニーさん(本名:十二夫(トニオ))」と、年下で建築関係雑誌の編集者
「康介」、、、
唯一の共通点はスープ好きという2人との、家族でも恋人でもない奇妙な共同生活が始まった。
恋愛も少々絡んできますが、生臭い感じや愛憎的な描写はないところが良かったですね… 恋愛感情や特別な感情がなくても、関わった期間が長くても短くても、かけがいのない関係性って、築ける場合があるんでしょうね、、、
終盤、
「トニーさん」が購入したウォーターベッドに、三人が寝転がり… 誰かが動いて波が立っても、静かにしてバランスを保っていれば直ぐに収まり、波風が立たなくなることを感じるシーンが印象的でしたね。
映画化もされているようですね、、、
肉屋さんのハムカツとおいしいスープ、そしてご飯… 食べたくなりました。

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