「村上春樹」の雑多な作品を収録した
『村上春樹 雑文集』を読みました。
「村上春樹」作品は1年ちょっと前に読んだエッセイ集
『やがて哀しき外国語』以来ですね。
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1979−2010 未収録の作品、未発表の文章から著者自身がセレクトした69篇。
デビュー作
「風の歌を聴け」受賞の言葉。
エルサレム賞スピーチ
「壁と卵」。
『海辺のカフカ』中国語版に書いた序文。
ジャズ、友人、小説について。
そして二つの未発表超短編小説。
「1995年」の考察、結婚式のお祝いメッセージ。
イラスト・解説対談=
「和田誠」・
「安西水丸」
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肩の力を抜いて気軽に読める作品はないかな… と思いながら書棚を探して選んだ一冊、、、
ちょっとひねくれた視点でリズム良く綴られる
「村上春樹」の文章(本作品に収録されているのはエッセイだけではないので"文章"って表現にしました)が、好きなんですよねえ。
■前書き――どこまでも雑多な心持ち
■序文・解説など
・自己とは何か(あるいはおいしい牡蠣フライの食べ方)
・同じ空気を吸っているんだな、ということ
・僕らが生きている困った世界
・安西水丸はあなたを見ている
■あいさつ・メッセージなど
・「四十歳になれば」
――群像新人文学賞・受賞の言葉
・「先はまだ長いので」
――野間文芸新人賞・受賞の言葉
・「ぜんぜん忘れてていい」
――谷崎賞をとったころ
・「不思議であって、不思議でもない」
――朝日賞・受賞のあいさつ
・「今になって突然というか」
――早稲田大学坪内逍遥大賞・受賞のあいさつ
・「まだまわりにたくさんあるはず」
――毎日出版文化賞・受賞のあいさつ
・「枝葉が激しく揺れようと」
――新風賞・受賞のあいさつ
・自分の内側の未知の場所を探索できた
・ドーナッツをかじりながら
・いいときにはとてもいい
・「壁と卵」
――エルサレム賞・受賞のあいさつ
■音楽について
・余白のある音楽は聴き飽きない
・ジム・モリソンのソウル・キッチン
・ノルウェイの木を見て森を見ず
・日本人にジャズは理解できているんだろうか
・ビル・クロウとの会話
・ニューヨークの秋
・みんなが海をもてたなら
・煙が目にしみたりして
・ひたむきなピアニスト
・言い出しかねて
・ノーホェア・マン(どこにもいけない人)
・ビリー・ホリデイの話
■『アンダーグラウンド』をめぐって
・東京の地下のブラック・マジック
・共生を求める人々、求めない人々
・血肉のある言葉を求めて
■翻訳すること、翻訳されること
・翻訳することと、翻訳されること
・僕の中の『キャッチャー』
・準古典小説としての『ロング・グッドバイ』
・へら鹿(ムース)を追って
・スティーヴン・キングの絶望と愛――良質の恐怖表現
・ティム・オブライエンがプリンストン大学に来た日のこと
・バッハとオースターの効用
・グレイス・ペイリーの中毒的「歯ごたえ」
・レイモンド・カーヴァーの世界
・スコット・フィッツジェラルド――ジャズ・エイジの旗手
・小説より面白い?
・たった一度の出会いが残してくれたもの
・器量のある小説
・カズオ・イシグロのような同時代作家を持つこと
・翻訳の神様
■人物について
・安西水丸は褒めるしかない
・動物園のツウ
・都築響一的世界のなりたち
・蒐集する目と、説得する言葉
・チップ・キッドの仕事
・「河合先生」と「河合隼雄」
■目にしたこと、心に思ったこと
・デイヴ・ヒルトンのシーズン
・正しいアイロンのかけ方
・にしんの話
・ジャック・ロンドンの入れ歯
・風のことを考えよう
・TONY TAKITANIのためのコメント
・違う響きを求めて
■質問とその回答
・うまく歳をとるのはむずかしい
・ポスト・コミュニズムの世界からの質問
■短いフィクション――『夜のくもざる』アウトテイク
・愛なき世界
・柄谷行人
・茂みの中の野ネズミ
■小説を書くということ
・柔らかな魂
・遠くまで旅する部屋
・自分の物語と、自分の文体
・温かみを醸し出す小説を
・凍った海と斧
・物語の善きサイクル
■解説対談 安西水丸×和田 誠
■文庫版のためのあとがき 村上春樹
全体的に愉しめましたが… その中でも、音楽に関する文章は特に面白く読めましたね、、、
「ホレス・シルヴァー」、
「セロニアス・モンク」、
「マイルス・デイヴィス」、
「アート・ブレイキー」等々、久しぶりにジャズが聴きたくなりましたね… しかも、できればCDやスマホじゃなくてLPレコードで、LPレコードの持つ、あの独特の雰囲気を久しぶりに味わいたくなりました。
もちろん、ロック/ポップスも大好きなので、
「ザ・ビーチ・ボーイズ」、
「ザ・ビートルズ」、
「ジム・モリソン(ドアーズ)」、
「ボブ・ディラン」等々も聴きたくなりました… そもそも、最近、ゆっくり音楽を愉しむことができていないよなぁ、、、
あと、久しぶりに
「スティーヴン・キング」の作品も読みたくなりました… 共感できることや、音楽や書籍について再発見することもあり、愉しめる一冊でした。

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