「忌野清志郎」の詩と日記による私小説
『十年ゴム消し』を読みました。
「忌野清志郎」に関する著書は、8年前に読んだ
「連野城太郎」作品の
『GOTTA!忌野清志郎』以来ですね…
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「しかし、あの頃はほんとに、ヒマだったんだな。
こんなにたくさん字を書くなんて、ほんとにやる事が無かったんだと思うよ。
でも、それも今じゃみんなチョー消しさ。
十年や二十年なんて、ゴム消しさ。」
永遠のブルース・マンが贈る詩と日記による私小説。
時代を超えて語りかけるみずみずしい言葉の数々。
自筆オリジナル・イラスト多数収録。
「忌野清志郎」という生き方がよくわかる不滅の名著!
解説=
「宮沢和史」
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1987年(昭和62年)に六興出版から刊行され、六興出版倒産後、1993年(平成5年)に河出書房から刊行された作品です。
1970年代の
「RCサクセション」の低迷期に書き綴られた清志郎の詩と日記と私小説… 本人のイラストも掲載されています、、、
詩は苦手なんですが… 本作品に綴られている詩は、
「忌野清志郎」の当時の心境が滲み出るような内容で、ついつい作品に入り込みながら読めちゃいましたね。
そんな中でも、少し明るい未来が見えてきた感じの、
「おいらの中で
もうすぐ 何かが実る
天気のいい日に
それを つみに出かけよう
メロディーは もうすぐ
つかまえられる
歌が そこまで来てる。
それでは
ごきげんよう!」
とか、なかなか現状が打破できないことへの苛立ちを感じる、
「一日二十四時間を
眠って
食べて
ピアノを弾いて
ギターをかかえて
字を書いて
ほとんどそれで
おしまいだ。
新聞をとったって
読んだりはするまい
外では何が起こっているか知らない
知りたくない。
選挙なんて うるさいだけだ
そう 関係ない。
ぼくの部屋の中には
歌が
とび散っているから
満たされた毎日を
ぼくは この中だけで
暮らしたい。」
とかが印象に残りましたね。
もう亡くなってから10年以上が経ったんですねー 寂しいな。

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