"Wの悲劇"
先日、NHK-BSプレミアムで放映していた
『Wの悲劇』を観ました。
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「夏木静子」の同名小説を下敷きに、若い劇団の研究生が、ある事件に巻き込まれて主役を演じ、本物の女優へと成長していくまでをサスペンスフルに描いたドラマ。
「三田静香」は、女優を目指す劇団
“海”の研究生。
次回公演の
『Wの悲劇』の主役を研究生の中からオーディションで選ぶことになり張り切っていたが、
「静香」についたのは結局セリフ一言の小さな役。
が、大阪公演の幕が開けたその夜、
「静香」は劇団の看板女優
「翔」の部屋で彼女のパトロン
「堂原良造」が死んでいる現場を目撃してしまう……。
「夏木静子」の原作を映画の劇中劇に織り込んだ構成が秀逸。
「世良」や
「三田」をはじめとして、俳優同士の過剰な演技合戦は演出意図かもしれないが好みの分かれるところか。
個人的には傑作になり損ねた原因と思うのだが。
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「夏樹静子」の小説
『Wの悲劇』が原作ですが、小説は本映画中で上演される舞台劇の原作という劇中劇の形になっているので、作品自体はミステリ要素は少なくて、ミステリの舞台を演じる女優の成長と元劇団員の男性との恋を描いた青春映画… という体裁となっています、、、
さらに原作は冬の山荘の話なのに撮影が夏になるため、映画の設定が夏に変更されているらしいです…
『Wの悲劇』のエッセンスを内包した別な作品と考えた方が良さそうですね。
「三田静香(薬師丸ひろ子)」は劇団
「海」の研究生で、女優になるために努力を重ねる20歳の女性… そんな真摯な静香を公園で見初めた
「森口(世良公則)」は元劇団員の26歳、今は不動産屋の社員をしている、、、
「静香」は劇団の次回公演
『Wの悲劇』の主役選考オーディションに臨むが、同期の
「かおり(高木美保)」が役を射止め、
「静香」は物語の冒頭でひとことだけ台詞のある端役(兼プロンプター)を担当することになった… オーディションに落ちて落ち込む
「静香」に、
「森口」は俳優時代の心理的な苦悩を語る。
そして、
「森口」は、
「静香」がスターになれなかったらという条件で結婚を申し込み、反対に
「静香」が役者として成功した場合はサヨナラの意味も込めて楽屋に大きな花束を贈ることを約束する。
そんな
「静香」に、危険な第2のチャンスが待っていた…
『Wの悲劇』公演のため大阪に滞在中、看板女優である
「羽鳥翔(三田佳子)」のホテルの部屋で、
「羽鳥」のパトロンの
「堂原(仲谷昇)」が腹上死してしまったのだ、、、
スキャンダルになることを恐れた
「羽鳥」は、たまたま部屋の前を通った
「静香」を呼び寄せ、身代わりになることを頼む… その見返りとして、続く東京公演で
「かおり」を降板させ、
「静香」を主役へ起用させることを約束する。
舞台への情熱が勝った
「静香」はその申し出を承諾し、
「羽鳥」の代わりにスキャンダルの当事者としてマスコミの矢面に立つ… そして、
「静香」にとって初めての大舞台となる、東京公演の幕が上がる、、、
「羽鳥」の後押しもあって、
「静香」はステージの上で全身全霊で役柄を演じきり、観客や団員達の賞賛と祝福を受ける… しかし栄光もつかの間、新しいスターを取材しようと集まった報道陣の前に真相を知った
「かおり」が現れ、事の全てを暴露、
「静香」をナイフで刺殺しようとするが、
「森口」が
「静香」を庇って刺される。
一夜の名声から再びスキャンダルの汚名をかぶった
「静香」だが、同時に自分の道は舞台にしかないことを確信する…
「静香」は女優として再起することを誓い、
「森口」に別れを告げ、そんな
「静香」の去り際を、
「森口」は拍手で見送る。
最近、1980年代の
「薬師丸ひろ子」主演映画を数本観ましたが… 本作品がイチバン愉しめましたね、、、
「薬師丸ひろ子」が歌う主題歌や、
「久石譲」の音楽も良かったしね。
-----staff/cast-------------
監督:澤井信一郎
製作:角川春樹
プロデューサー:黒澤満
伊藤亮爾
瀬戸恒雄
原作:夏樹静子
脚本:荒井晴彦
澤井信一郎
撮影:仙元誠三
美術:桑名忠之
編集:西東清明
音楽:久石譲
音楽プロデューサー:高桑忠男
石川光
助監督:藤沢勇夫
出演:
薬師丸ひろ子
世良公則
三田佳子
三田村邦彦
高木美保
蜷川幸雄
志方亜紀子
清水紘治
南美江
草薙幸二郎
西田健
香野百合子
日野道夫
仲谷昇
梨本勝
福岡翼
須藤甚一郎
藤田恵子

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