「開高健」のエッセイ集
『開口閉口』を読みました。
『開高健エッセイ選集 白いページ』、
『輝ける闇』、
『サイゴンの十字架―開高健ルポルタージュ選集』に続き、
「開高健」作品です。
-----story-------------
読書の楽しみを語り、現代の風俗を諷刺し、食味の真髄を探り、釣りの薀蓄を傾け、世界の美酒・珍酒を紹介し、人生の深奥を観照する。
――鋭い洞察が溢れ、ユーモアとウィットに富み、自ずと人柄のにじみ出る絶妙な語り口は読者を魅了せずにはおかない。
『男の収入の三分法』 『面白い物語はまだまだある』 『釣るのか釣られるのか』 『酒の王様たち』 『小さな話で世界は連帯する』など珠玉64編。
-----------------------
毎日新聞出版発行の週刊誌
『サンデー毎日』の1975年(昭和50年)1月号から、1977年(昭和52年)1月号に掲載されたエッセイ
『 開口閉口』を一冊にまとめたエッセイ集、、、
「開高健」は、小説やルポルタージュも書いていますが、個人的にはエッセイがイチバン好きですね…
「開高健」ワールドにどっぷり浸かった感じです。
■ロートレックがイナゴを食べた
■モルモット食いとネズミ食い
■ネズミの仔は野原のイワシである
■面白い物語はまだまだある
■泣くがいやさに笑い候
■悪夢で甘く眠る
■名は体をあらわすか
■小さな話で世界は連帯する
■十年ののち影もなく
■連発式自動小銃とバナナ畑の昼寝 ほか
■解説 谷沢永一
「開高健」の趣味である、酒、釣り、読書、映画、食、旅を中心に、風俗、文学、政治、人生、俗っぽい下ネタから、銃弾飛び交う紛争最前線まで… 幅広い知識と造詣の深さが滲み出ている作品でしたね、、、
ユーモアたっぷりで面白いんだけど、そんな中に物事の核心を突いてくる言葉があったりと… 愉しめるけど油断できない、そんなエッセイ集でしたね。
エッセイの中で紹介される、女性に対する万国共通?の認識を表した小話や格言が印象的でしたね、、、
《中国の小話》
「女房が怖いようではアメ帝と戦争ができるかと隊長がキメつけたけれど、
いっこうにききめがない。
そこで隊長は、女房のこわい兵隊は右へでろ、
こわくないのは左にでろと命令を下した。
すると、100人のうち、99人が右へ出た。
左へでたのは、たった1人だけであった。
そこで隊長が感動してその男の肩をたたき、
同志、君だけが真の人民英雄だといった。
するとその男は、うろたえて頭をかき、低い低い声で、
ナニ、私はかねがね女房にみんなのあとへついていってはいけないといわれてるもんですから、と答えた。」
《タイの格言》
「25歳までの女は自分を殺す。
35歳までの女は自分と相手を殺す。
35歳以後の女は相手だけを殺す。」
思わずクスっと笑っちゃいますが… 本質を突いているだけに、反論できないですねー

0