「『四人の女【新版】』 パット・マガー(著),吉野美恵子(翻訳)」
■読書
アメリカの作家
「パット・マガー」の長篇ミステリ作品
『四人の女【新版】(原題:....Follow, As the Night....、英題:Your Loving Victim)』を読みました。
ここのところ、アメリカの作家の作品が続いています。
-----story-------------
前妻、現夫人、愛人、そしてフィアンセ――人気絶頂のコラムニスト、
「ラリー」を取り巻く四人の女性。
彼はひそかに自宅バルコニーの手摺(てすり)に細工をし、四人をディナー・パーティに招いた。
「ラリー」には、そのなかの一人を殺さねばならない切実な理由があったのだ……。
一作ごとに趣向を凝らす才人
「マガー」が、犯人ならぬ
「被害者捜し」の新手に挑んだ、いつまでも色あせない傑作ミステリ。
訳者あとがき=
「吉野美恵子」/解説=
「深緑野分」
-----------------------
「犯人」を捜すのではなく、
「被害者」、
「探偵」、
「目撃者」等を探す…… 斬新な設定で一世を風靡した作家
「パット・マガー」の傑作ミステリ、、、
1950年(昭和25年)に発表された
「パット・マガー」長篇第5作にあたる作品です。
人気絶頂のコラムニスト
「ラリー・ロック」は、平凡な女で前妻
「シャノン・ムーア」、美貌の女優で現在の妻
「クレア・フォレスト」、毒舌家の画家で仕事仲間兼愛人
「マギー・ラング」、19歳ながらフィアンセとなった
「ディー・イングルズビー」を、新居披露のパーティーに招いた… 新居は贅沢なペントハウスで、
「ラリー」にとって成功の証である、、、
そのテラスの手すりがぐらついていることを知った
「ラリー」は、
「彼女」をそこから突き落として殺そうと決意したのだ… それは招いた四人のうちの誰なのか……。
物語は深夜のニューヨークで墜落死体が発見されるところから始まり、すぐさま時間が巻き戻ります… 読者は、誰かが墜落して亡くなったことを認識して読み進める感じ、、、
犯人を捜すのではなく、被害者を探す、被害者が誰だったのかを探るというユニークな設定…
「ラリー」と女たちのパーティの模様、かつて彼が彼女たちと過ごした日々の回想を通じ、動機を探っていくことになります。
途中から、もしかしたら亡くなったのはこの人物じゃないかなー と思っていたのですが… その予感が当たりましたね、、、
終盤、最も殺されそうにない人物に危機が訪れるので、違ったかなー と思いましたが、最後に意外な結末が… 思いも寄らない方向から心を揺さぶられることになりましたね。
野心や虚栄心が強い人物が多く、感情移入が難しかったのが残念でしたね… 共感できるのは前妻の
「クレア」だけでしたからね。

0