聞き書き にっぽんの漁師
塩野 米松 著 、ちくま文庫 924円
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480426543/
ちくまの宣伝から
北海道から沖縄まで津々浦々、漁師の生活を訪ねて歩いた珠玉の聞き書き。かつて水産国といわれた日本も、いまや水産物の自給率が六〇%ほどの輸入国となってしまった。テクノロジーの導入で失われつつある伝統の技、資源の枯渇、漁師の高齢化…日本の海で何が起こっているのか。漁師たちはそれをどう考え、どうしようとしているのか。意外にも知られていない、漁師たちの等身大の姿を写し出す。
目次
ウミンチュウ・上原佑強(沖縄県糸満市)
金印の島・内山甚一(福岡県志賀島)
国境の島・原田義治(長崎県・対馬)
工業地帯の海・三宅明久(瀬戸内・寄島)
カツオ漁船主・坂上猪太郎(中土佐・久礼漁港)
七尾湾の小型底引き漁・大根常雄(石川県七尾市)
オホーツクのサケ定置網・村橋信夫(北海道根室市)
三陸サンマ船の名船頭・千崎鶴右エ門(岩手県宮古市)
ハタハタ漁・古仲忠夫(秋田県男鹿市)
マグロ一本釣り・米沢豊(青森県大間町)
マグロ延縄漁・寺本正勝(和歌山県串本町)
オホーツクのホタテ漁・冨澤利之(北海道稚内市宗谷)
江戸前の穴子漁五十年・伊東俊次(東京都大田区羽田)
これもどうぞ
http://www.chikumashobo.co.jp/blog/pr_chikuma/entry/324/
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めっぽう面白い。
しゃべった言葉そのままおこしてある。それがまた良く雰囲気をつたえている。
2000〜2001年の聞き書きだから10年たった今の日本漁業はもう壊滅的なのではなかろうか?
異口同音に、今の若い人(10年前の)はもう大変だ、という。
漁具の発達による乱獲、埋め立てによる藻場、産卵場の破壊、すべて工業化、近代化のつけをまわされた。
森を見、鳥を見、海の中の流を読む職人技が、GPS、魚探にかわり、稚魚からの乱獲である。
読んでみたいと思った理由は単純。
いきつけの”金ちゃんの”おやじは四国出身。若い頃、さばを追って釜山まで漁に行ったという。一度聞かせてもらってびっくりした。
そしてよんでいくと、秋田のハタハタの漁師さんが、”あのひとがたは・・”としゃべっているのに出会った。
これは「あの人達は」という意味だが、これを見たとたん、大館のKANさんを思い出した。 秋田の言葉なんだ・・。
お勧めです。 いろんな漁、網の種類もわかって勉強になります。
*昔は木綿の網だったそうだ。だから魚も見える。
職人技を駆使して、それでも一杯取れたんだと。
今はテグスで一網打尽。次にはもう魚が育たない。その悪循環だそうだ

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