ビューティフル アイランズ
http://www.beautiful-i.tv/index.php
(注意、うえのHPにある上映情報は去年のものですので今年はやってません。
最新の情報は、海南友子監督のHP
http://kanatomoko.jp/
をご覧ください)
先日、見逃していたこの映画をみるチャンスが巡ってきた。
8/20のカタログハウスのこのイベントでは映画のみならず、海南友子監督の講演もある。
参加した理由はいくつかある。
・昨年公開されたこの映画を見れなかった。
「にがい涙の大地から」いらい、海南さんには注目していたのである。
・何度も訪ねたことのあるヴェネチアがどうえがかれているか、その実態は?
・ペアで参加すると割引で2人で1500円、しかも海南さんの講演が聞ける、とってもお得
・地球温暖化をテーマをしてこれをつくった海南さんが3.11と原発震災を経て、改めて思う事はなんだろう
と極めて単純なというか、安直な理由であった。
「地球温暖化を心配するあまり、まなじりをけっして」というものでなかったことは言うまでもない。
この映画は3年を越える取材の後につくられた。
映画には〜気候変動、沈む島の記憶〜という副題がついているとおり、地球温暖化の影響で将来消えてしまう可能性の高い3つの島を取り上げている。
一つ目は太平洋のツバル。 サンゴ礁の島であり、世界で一番最初に姿を消すかもしれないといわれている。どんどん潮位が上がってきていて、国土がどんどん水没している。
二つ目はヴェネツイア。 世界遺産でもあり、カーニバルや映画祭で有名であり、サンマルコ広場は世界で最も美しいとナポレオンが形容した。雨季の高潮で水没の危機に瀕している。
三つ目はアラスカ(米国)のシシマレフ。 おそらく誰も知らないだろう。こちらは流氷の上を飛び回って狩りをして暮らしているが、永久凍土が融け、流氷の厚さも薄くなって、これまでの自給自足がなりたたなくなっている。
これらはまぎれもなく地球温暖化の影響で、取材されている当時はゴア副大統領がその重要性を取り上げたものの、その対策は”CO2を出さないクリーンな原発”というものであった。 その欺瞞性が完膚なきまでに明らかにされたのが3.11のFUKUSHIMAであった。
2006年以来、久しぶりにお見かけした海南さんはふっくらしておられた。
実は妊娠しておられるという。 それを聞いてちょっとびっくりした。
そして、それがわかる前にジャーナリストとして福島に赴き、原発の直近(今は立ち入れない)までいって取材していたという。 子どもがおなかにいるとわかってからは、悩んだあげく子どもの母という立場を第一にして、放射能の影響が少ない場所での取材をとおして3.11を記録していきたいといわれていた。
そして昨年からこの映画の上映会を各地で開いているが、沖縄の石垣島で公開した時には、皆が石垣でもツバルと同じだといわれたという。 海岸線がどんどんなかに入ってきていると。
北海道の紋別では、流氷が薄くなった、もう子どもたちは流氷の上であそぶ経験を持てなくなっている。 シシマレフと全く同じことが起こっていると。
最後のこの指摘は心にずしんと響いた。
ツバルはインターネットも電話もない。自給自足の島である。
ヴェネツィアは車ははいれない。排出CO2は少ない。
シシマレフも自給自足の島である。
どの場所もみんな環境負荷の小さいある種、辺境の島。
そこが自らの責任のない地球温暖化で真っ先に被害を受ける。
FUKUSHIMAとおなじ構図ではないか。
映画にナレーションは入っていない。
ぜひ機会があったら見ていただきたい。
われわれは便利の名のもとに何を手にしたのだろう。

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