西宮にある大谷記念美術館に喜多俊之展を見に行きました。
今日は、喜多さんがご自身の作品の説明をしながら案内をしてくださるイベントがあり、それに参加したのです。
本当に行ってよかった〜〜

喜多さんのデザインの素晴らしいところは カッコつけるのではなくて、暮らしをどう楽しくワクワクしたものにするかという視点があること。
デザインで未来を作り出そうとするだけではなく、過去の遺産ともいうべき伝統の技などを大切にすること。
「売れる」ということがなければ どんなに良いものを作ってもだめだという視点があること。つまり、たくさんの人に支持されなければいけないと考えているということです。
若い頃からの作品をずらっと見て歩いて、喜多さんには、喜多さんにしかない世界があるなあとしみじみ思いました。
それらは可愛い

人の心にするりと入り込んでくるような可愛さがあります。
見ると微笑むが湧いてくるような、心があったかくなるような、そばに欲しいと思っちゃえるようなものばかりです。
いつもおっしゃる「暮らし」をよくしようという姿勢に全然ぶれがありません。
ただ、日本でデザインが育たない理由には 結構絶望的なものがあります。
それは 家やマンションサイズが固定され、天井が低く部屋が狭いことです。
そのために 海外のいい家具なども家に置くことができません。
また、日本の家電なども、小さな家に合わせているので、海外で売ることができないのです。
そのためにもう今デザインは中国に負けているのだということでした。
私もひしひしとそれは感じています。
また、先生がイタリアで感じられたのは、あちらの会社経営者はデザインを理解するだけではなく、それを外の人たちにアピールできる自分へと 自身を変えていってでも作品を売っていく姿勢があるということでした。
日本では会社経営者は デザイン部門やデザイナーに任せっきりなところが多いそうです。
つまり、デザインというものにかけるエネルギーも 期待感や夢も全然違っているのですね。
日本ではデザインを 物を売るためのツールとくらいにしか考えていないのでしょう。
本当にいい刺激をもらいました。
デザインの良いものを作っていこうという意欲も新たにしましたし、それ以上の生きていく上でのとても大切なものを与えてもらったみたいな気がします。
コロナ後の世界は 何かが大変だと思います。
物は安くないと売れないだろうし、かと言って、材料の値上がりが激しすぎて 値上げしなわけに行かないし・・・・と仕事のことが不安です。
けれど喜多さんは 以前以上に明るいエネルギーいっぱいな表情で言っていました。「まだまだ道があると思っている」「日本も変わっていくと思う」と。
私にはそれは感じられないのですが、そう思うところからしかスタートできませんものね。
笑顔で未来を見つめないといけないなと思いました。
さ、頑張ろう

笑顔でね



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