ACL Group E Matchday5 ペルシク・ケディリ VS 浦和レッズ (マナハン・スタジアム)
2007年5月9日(水)15:30 主審:SHAMSUZZAMAN 観客数:7,000人
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ペルシク・ケディリ 2勝1分2敗(勝ち点7) |
3 |
2 |
前半 |
1 |
3 |
浦和レッズ 2勝3分0敗(勝ち点9) |
1 |
後半 |
2 |
ゴンザレス(前半24分) ゴンザレス(前半32分) ブディ(後半39分)
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得点 |
小野伸二(前半10分) ポンテ(後半6分) 阿部勇樹(後半17分)
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オリベイラ(前半12分) ゴンザレス(前半14分) カルティコ(前半45分) ブディ(後半34分)
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警告 |
相馬崇人(前半25分) ポンテ(後半25分) 細貝萌(後半32分)
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退場 |
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アウェイの狭いエリアに押し込まれても、
全員が手を繋ぎ「好きにならずにいられない」を謳う仲間。そして、それを見つめるレッズの選手。
後半開始前に映し出された映像を見たときに「負けない」と確信しました。
全てが敵に見える完全アウェイの中、頼もしい援軍の姿は選手の気持ちを最後まで支え続けました。
気温33度、湿度87%、慣れないピッチに戸惑い、
試合開始から積極的に前に出てくるケディリに押し込まれる展開。
それでも早々にポンテがPKを貰い、伸二が冷静に決めて難なく先制しました。
これで少しは落ち着くか思ったのですが、試合は最後まで落ち着くことはありませんでした。
先制してもケディリは埼スタで観たチームとはまったく別のチームでした。
積極的なケディリの圧力に、中盤を支配できない状態で永井が完全に孤立していました。
ケディリはボールを転がさないサッカー。とにかくケディリは何でもかんでも放り込んできます。
… 彼らはこの劣悪なピッチに対応したサッカーをずっと続けているんでしょう。
… 綺麗に繋ごうとか、パスで崩そうとか、そういったサッカーはここでは通用しない感じがします。
… スルーパスとかドリブルで攻め上がるということは、ほぼ途中でボールを奪われてしまいます。
レッズもロングボールを多用しますが、
闘莉王、暢久、ワシントンとターゲットになりそうな選手が揃って欠場とあって苦しい状況は続きます。
… ドカンと蹴ってボールを競り合うことに慣れているのはケディリの選手でしたね。
レッズがリードしていた時間はそう長くはありませんでした。
ペナルティエリアで、ネネが相手を倒したとして、今度はケディリにPKが与えられます。
少し触っただけで大袈裟に倒れ必死にアピールする相手選手。レッズにとっては厳しい判定でした。
このPKを冷静に決められ同点。これでますますケディリの圧力が強くなります。
とにかく審判も微妙で、ヘディング競り勝つとファール、相手が転ぶとファール、打開策がありません。
一方では相手のエルボーには笛もならず、慣れない劣悪なピッチだけでなく、判定もアウェイでした。
ケディリの選手は審判の笛をうまく利用し、レッズの選手は苛立ちを募らせていきます。
浮き足立つ選手たち。プレーもどこか消極的で、ケディリの攻撃に晒されます。
ケディリが逆転するのにそう時間はかかりませんでした。2点目は素早いリスタートからでした。
レッズの右サイドから、目の覚めるようなボレーでミドルシュートを決められてしまいます。
喜ぶケディリの選手。湧きかえるスタンド。完全に試合の主導権を握られてしまいました。
このままやられてしまうのではと思った矢先に聞こえてきたのは「浦和レッズ!」のコールでした。
前半はこのままなんとか凌ぎきり2−1で終了します。
何をやってもうまくいかない、ピッチも酷い、主審の笛も意味不明、苛立ちを隠せない選手たち。
周りは自分たち意外が全て敵に見え、ともすれば気持ちが切れてしまいそうになる。
そんなレッズの選手を支えのは、間違いなく遠くインドネシアに渡った赤い仲間たちでした。
全員で手を繋ぎ、スタジアムに響き渡る「好きにならずにいられない」は選手の心に刻まれたと思います。
「俺たちは決して諦めずにお前たちと共に戦う」
後半、オジェックは岡野を投入。これから流れはレッズに傾きました。
右サイドを疾走する岡野、岡野を走らせるポンテや伸二のパスが次々とケディリ陣内を脅かします。
審判の傾向やピッチの状態に慣れてきたこともありましたが、
前半からポンテと伸二はよく走り、荒れたピッチでも技術の高さを存分に発揮し戦っていたと思います。
右サイドはレッズが制圧し、攻撃のリズムが生まれてきました。
同点のシーンも右サイドから、永井のクロスをしっかりと押さえて地面に叩きつけるようなシュートで同点。
これで勢いづいたレッズは立て続けに、ポンテのCKを阿部ちゃんがヘッドで叩き込み逆転に成功 (^-^)
ポンテの凄さをまざまざと思い知らされたような気がします。
ケディリの選手の足も止まり、審判の笛にも慣れて、このまま逃げ切れるかと思ったのですが…。
最後までやはりレッズにとっては、アウェイだったのかもしれません。
残り10分を切り、PRIDE OF URAWA が始まった時間帯に、またしてもレッズの右サイドから崩され、
マークがずれたところで、まさかまさかの同点弾を喫してしまいました。
この時間帯になるとレッズの選手の足も止まってきており、危ない時間帯だったのですが、
多分、堀之内の頭の中に、前半でネネがPKを取られたシーンが蘇ったのかもしれません。
股間を抜かれ決められた堀ノ内には痛恨の失点だったと思います。
ここからは正に死闘。“勝ちたい” “負けない” 気持ちの勝負となりました。
最後まで PRIDE OF UARAWA は途切れることなく、選手は最後まで “勝利” を目指して戦っていました。
スタンドのレッズサポーターと一体となって、最後の最後まで戦い抜いたと思います。
結局、追加点が奪えぬまま引き分け。勝ち点1を分け合う結果となりました。
次に繋いだレッズと敗退が決まったケディリ、両チームの明暗を分ける引き分けとなりました。
リードされる展開で、最後に追いつかれたとはいえ、一時は逆転した選手を誇りに思います。
そして最後まで選手の背中を押し続けた仲間たちにも賛辞を送りたいと思います。
みんな無事に日本に帰ってきてください。
シドニーFCが引き分けたため、予選突破という目標を考えれば、
ケディリの望みを断ち切るだけでなく、この勝ち点1は限りなく大きい勝ち点になりました。
… 試合終了時点ではシドニーFCは試合中でしたので、選手は首位陥落と思っていたと思いますが…
残すところ1試合のみ。シドニーFCとの一騎打ち、勝った方が決勝トーナメント進出です。
フットボールの神様が、大勢のサポーターと一緒に埼玉スタジアムで決めろと言っているのでしょう。
最後、みんなで戦って新たなステージの扉を抉じ開けましょう (^-^)

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