選手も、サポーターも、大きく胸を張って笑顔で国立競技場の舞台に立ちました。
目の前の相手に勝ちたい、負けたくないという気持ちが強かったです。
決勝という晴れやかな舞台で、そこで負けたときも感じる途方もない悔しさを、
これからの戦いに活かさなければいけないし、成長の糧にしなければいけないと思います。
2002年にも感じたこの気持ちを同じ国立競技場の同じ舞台で再び感じた試合でした。
喉から心臓が飛び出るぐらいに緊張した浦和レッズの選手達のプレーには気負いを感じました。
勝ちたい、負けたくない、優勝したい、タイトルが欲しい、自分が決める、自分が守る、
いろいろな感情や想いが選手達の心の中で渦巻いたまま、試合が進行していったように思います。
選手のはやる気持ちに身体がついていかないもどかしさのようなものを感じました。
決勝の張り詰めた空気に、セルも、元気も、多くの選手の気持だけが前に前にと向いていた。
落ち着かなければと分かっているのに、思えば思うほどはやる気持ちを抑えきれない選手達。
老練な鹿島にいなされ、鋭利な武器を突きつけられ、自分たちのペースでは戦えませんでした。
落ち着きを取り戻すかに見え始めた時間帯での退場劇。常に鹿島の土俵での戦いを強いられました。
目の前の相手に勝ちたい、負けたくないという気持ちがピッチから伝わってきました。
それぞれが助け合い、途中でピッチを去った仲間の分までと戦う気持ちが伝わってきました。
2002年に一度経験した道を、もう一度違う仲間と経験しているかのような時間でした。
梅崎のシュートが決まっていたら、直輝が退場しなかったら、
水輝のヘディングが枠を捉えてていたら、セルのシュートが枠に飛んでいたら…
延長にまでもつれた試合。レッズが勝つチャンスはゼロではなかったと思います。
しかし、浦和レッズに流れが来ることは120分間の試合を通してなかったと感じています。
道に迷っているうちに、捨て去ってしまったものの大きさと大切さを感じる120分でもありました。
ペトロを解任し、堀監督のもと僅か2試合目で迎えた大きな舞台でしたが、
いま出来ることの限界と、このチームが持っている可能性を見ることができたと思います。
勝ちたいと強く望んでいても、120分を戦い抜いた結果は準優勝。
優勝と準優勝の間には、天国と地獄ほどの違いがあることを選手は思い知ったはずです。
その悔し涙を嬉し涙に変えるために、私達はもっともっと強くならなければいけないのです。
勝ちたいと思う選手と、勝たせたいと思うサポーターが浦和レッズの原点だと思います。
国立には負けて悔しいと涙する選手と、悔しさを堪え選手を鼓舞するサポーターの姿がありました。
久しぶりのチケット争奪戦。快晴で満員の国立競技場。決勝の舞台は楽しかったです。
ここに連れて来てくれた選手に感謝します。そしてまた一緒にここに戻ってこなければなりません。
負けたことが悔しい。優勝できなかったことが悔しい。だからもっと強くなりたい。
今日、浦和レッズは決勝に残った勝者であり、決勝で敗れた敗者でした。
晴れやかな気持ちも、悔しい思いも味わった今日一日を、絶対に忘れないでいたいと思います。
選手の鼓動も、選手の息づかいも、スタジアムに充満する浦和レッズを強く感じた一日でした。
チームは出来る限りのことを全て出し尽くしたのかもしれません。
でも勝てなかった。優勝出来なかった。それが新監督を迎えたいまのチームの実力です。
まだ戦術の浸透が足りない。熟成がたりない。まだ未熟なチームであることは間違いありません。
だからこそ戦う意思が必要なのです。強くなるりたいと思うことが大切なのです。
今日の敗戦の悔しさは、戦う意思をより強く持ち、強くなりたいと思うことに繋がるはずです。
その意思を試合中のプレーから、試合後に肩を震わせる選手の姿から感じることが出来ました。
まだ今季は終わっていません。まだやらなければいけないことが残っています。
今日の悔しさを忘れることなく、次の苦しい戦いを勝ち抜く糧にして欲しいと願っています。
大事な次の戦いはもう始まっています。この試合で得たものを活かし一丸となって戦うだけです。
退場した直輝は次節は出場できません。U22代表で選手が欠ける試合もあります。
進む道の先には強い逆風が吹いていますが、多くの仲間が逆風に耐え背中を押してくれるはずです。
今日は泣きたいぐらいに悔しいけれど、明日はまた前を向いて一緒に歩んで行きましょう。
快晴の国立競技場で、風にはためいた赤いフラッグの海はどこまでも綺麗でした (=´ー`)
2011Jリーグヤマザキナビスコカップ・決勝
浦和レッズ0−1(前半0−0・延前0−1・延後0−0)鹿島アントラーズ
得点者:105分 大迫(鹿島)
主審:東城 穣
2011年10月29日(土)13:10 KO 国立競技場 入場者:46,599人

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