205系シルバー塗装のための実験。
なるべく安上がりで済ませようと思うので、高価な
アルクラッドII等は使わずに、安価な
クレオスのメタルカラーを使ってみる。
<テストピース製作状況>
下地は(各色左から順に)、
@プラ板(タミヤ製)のツルツルになっている面側に、光沢の黒(
クレオスC2ブラック)をエアーブラシで塗装。
Aプラ板のツルツルになっている面側そのまま。
Bプラ板のツルツルになっていない面側に、光沢の黒をエアーブラシで塗装。
これにメタルカラーの「MC211クロームシルバー」、「MC213ステンレス」、「MC218アルミ」を吹き付け、乾燥後下部だけ磨き上げる。
次に、マスキングによる剥がれ具合を確認するために、左に
タミヤのマスキングテープを貼り、右に
マスキングゾル改を塗る。そして、
水性ホビーカラーのH30クリアーをエアーブラシで吹いた。
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クレオスのメタルカラーを使うなんて何十年
(いや20年程度か?)ぶりだろうか? 昔メタルカラーが新発売された時にすぐに購入して試したことがあったが、あの時はやはり驚いたものだ。磨くと金属のような光沢になり、全く別の仕上がりになる。面白がって意味も無く色々なものに塗って磨いたなぁ(笑)。
ただ、当時はエアーブラシは使っていなかったので筆ムラが出来たし、そんなに広い面積を塗ったりもしなかったので、鈍く光る金属の表現ができる程度だった。しかし、今回はエアーブラシを使ったので、久しぶりに驚くべき結果になったなぁ。条件が揃うと本当に鏡面になるんだね、コイツは。
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<結果>

これは下地がAの無垢鏡面白色の場合。
a)研磨した面について
何故か「MC213ステンレス」は大して鏡面にならないが、「MC211クロームシルバー」と「MC218アルミ」は、かなりの鏡面になり、30cm程度離れた状態でも顔が写り込む程だ。写真では右の「MC211クロームシルバー」の方がやや褐色で暗く見えるが、蛍光灯の光を直接反射させた場合には逆に「MC218アルミ」の方がやや褐色で暗く見えるようになる。鏡面のクリアさでは若干「MC211クロームシルバー」の方が上に見える。
また、クリアーを吹いた部分はやはり1層塗膜が増える分鏡面のクリアさは落ちるが、十分鏡面に見える。
b)研磨していない面について
「MC211クロームシルバー」に比べると、「MC218アルミ」は若干白っぽく、「MC213ステンレス」はそこそこ暗い色である。
c)マスキング面
「MC211クロームシルバー」や「MC218アルミ」の鏡面レベルになると、マスキングテープやマスキングゾルによって剥がれる量はあまり無い感じである。ただ、やはり指で擦ると微かに指に銀粉が付く感じはある。「MC213ステンレス」の研磨面は鏡面度が2つに比べて劣る分、やや剥がれる量は多い。当然研磨していない方はかなり剥がれ、指で擦ると指が銀色になる。特に「MC218アルミ」はその程度が大きい感じだ。
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これは下地が@の塗装鏡面黒色の場合。
a)研磨した面について
黒塗装だけなら結構鏡面になっており10cm程度指を近づけると写り込むのだが、メタルカラーを塗った後に磨いたら一気に鏡面度は落ちた。「MC211クロームシルバー」で5〜6cm、「MC218アルミ」と「MC213ステンレス」で2〜4cmぐらいだろう。
これによって鏡面度を上げるためには、「下地の色」よりも「面の平滑度」が如何に重要かということが解る。ただ、Aで高い鏡面度にならなかった「MC213ステンレス」は、こちらの方が若干鏡面度が高いように見えるので、塗料の種類による場合もあるのかもしれない。また「MC218アルミ」の光沢はこの段階で結構落ちる。
「b)研磨していない面について」と「c)マスキング面」は上記と同様なので以下省略。
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これは下地がBの塗装梨地黒色の場合。
a)研磨した面について
こうなるともう鏡面度はあまり期待できず、どれも1〜2cm程度指を近づけないと写り込まない。また「MC218アルミ」の光沢はこの段階で更に落ち、磨かない部分と大して変わらない状態である。
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以上まとめると、
1.鏡面度を上げるためには「下地の色」よりも「面の平滑度」が重要。
2.「MC211クロームシルバー」は、比較的安定して光沢・鏡面度が高い。
3.「MC218アルミ」は、「面の平滑度」によって大きく効果が変わる。
4.「MC213ステンレス」は、比較的光沢・鏡面度が低いが、下地等の条件が悪い方でも効果が出る。
という印象である。「MC218アルミ」は磨いた後のクリアー吹きでも結構印象が変わってしまい、ちょっと使いづらい感じがあるなぁ。写真だけで見てもなかなか分からないだろうけどね。
ということで、205系はサーフェイサー面を研磨後、
T)窓周辺の中央部&乗客用扉は、「磨かない「MC218アルミ」+ツヤ消しトップコート」。
U)窓や扉の縁&乗務員室扉は、「磨かない「MC213ステンレス」+半光沢トップコート」。
(チャレンジするならば「磨いたアルミ又はクロームシルバー+半光沢トップコート(クリアーブラック少量混入)」だが、結構難しそうだな)
V)緑の帯周辺である上段&緑の帯から下の部分は、「磨いた「MC211クロームシルバー」+光沢トップコート」。
という感じにするかな。
まぁ安価なメタルカラーを使うならば、工夫と力技が必要というところか。手順が結構面倒な感じはするから、まだ変更するかもしれないけど。

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