先日
お客さんのどこに行ったら、お茶とお菓子を出してくれた。
お菓子より気になったのは、その入れ物。
俺は子供の頃両親が離婚し、お婆ちゃんとおふくろと暮らしていた。
酒飲みのおふくろは毎晩のように飲み歩き、俺が起きている時間はお婆ちゃんと過ごしていた。
女手一つで生活していくのは大変だったんだろう。
お婆ちゃんもパートに出ていた。
そして、小学生の1年生から鍵っ子となり、家に帰ると誰もいない日々が続いた。
テーブルの上には柿のデザインの入れ物にお菓子が入っており、お婆ちゃんからの伝言がその下にはさまっていた。
それを読みながら、柿のお茶菓子入れを開けてお菓子を食べていた。
それと全く同じ入れ物が出てきた。
お客さんに
「これはいつからお持ちなんですか?」
と、聞いたら、やはり親の時代からのものだと言う。
大切に使われていた。
そして、俺は写真を撮らせて貰った。
今、お婆ちゃんと暮らしていた頃の物ってスプーンやフォークが残っている。
大切にしよう。


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