2006/11/1

がんと心と毎日と  さいご  がんになっちゃった



◇「検証・免疫信仰は危ない!」というくだらない本がある。副題は「がんビジネスの実態に迫る」だ。
実にくだらない本なので、そおいうくだらない本マニアにはおすすめだ。
第三章の「活性化リンパ球療法はがん患者に福音をもたらすか!?」に至ってわ、もう、くだらない大賞を差し上げたいほどだ。
だいたい、活性化リンパ球療法が通常医療として認められていないからという理由で、アガリクスやサメの軟骨の世界とひとくくりにひっくるめるんじゃねえよ。
自由診療ったって、ちゃんとした医師が行う医学的根拠のある治療である事には間違いないのだ。このやろお。
ひっくるめての「がんビジネスの実態に迫る」とわ何事だ。
ったく、こいつら、代替医療や自由診療に望むがん患者の本質の部分が、なあんもわかっていない。

この取材チームは例えば、「自由診療の医師が本当の意味でがん患者に真摯さを証明するには、まず、その治療の有効性についてデータを提出することだ」と、このように、ことあるごと、「がん患者が本当に望むものはやれ、データだ、やれ、権威のお墨付きだ」みたく勝手に決め付けている。

それが望むすべてであるわけがない。

さらには、自由診療のお医者の患者への接し方に安心感があるとし、さらに、がんに苦しむ患者に対する真摯な思いも随所で伝わり、とし、ただし、その事がイコール活性化リンパ球療法の優秀性を示す事にはならない。と結ぶ取材チーム。
あたりまえだ。イコール、示す事になるわけがない。
そんなこたあ、子供でもわかるわい。

がしかし、「その治療の有効性についてデータを提出することが、まず、自由診療の医師が本当の意味でがん患者に真摯さを証明すること」でわ、ない。
まさか、治療の有効性についてのデータをきっちり提出できていないことで、媚を売って、優しく接し、がんに苦しむ患者に対し真摯な思いを傾けているとでも思っているんじゃあるまいな、こいつらわ。

もちろん、有効性のデータがいらないという事ではないけれど。
でも、「まず」そこに、そこから、と、全ての焦点を持っていってしまうのであれば、現在の西洋医学が抱える「ダークサイド・オブ・がん治療」の轍を踏むだけである。

つい「自由診療以外の多くのお医者が、果たして、効くかどうかいまいちよく解らない有効性についての素晴らしいデータを得意満面に提出してくれるとし、ただし、その事がイコールがんに苦しむ患者への真摯な思いを示す事にはならない。」って言ってみたくなる。


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とにもかくにも、がん患者のおいらが常に、本当に、望むものは「希望」だ。
不確実な生に日々打ち勝つための、人の尊厳としての希望なのだ。
もちろん、病気が治るにこしたことはない。それが一番の希望だ。
でも、日々、がんに主体をコントロールされまいと、自分がこの病気の何たるかをコントロールするんだぞ、と、玄米を食べる、それもまた、立派な希望なのだ。

「玄米でがんが治ったエビデンスなんかないから無駄だ。」
「玄米を薦める医療者はまず、玄米の有効性のデータを。」と、件の取材チームはヒステリックに叫ぶに違いない。
代替医療や自由診療に望む、がん患者の本質の部分が、なあんもわかっていない。

通常医療として認められた抗がん剤のデータを持ってして、がん患者が本当に望む希望だ、とするのであれば、それこそは、あまりに人の尊厳を無視した稚拙極まりない判断だと、言わざるを得ないのである。

この本のくだらなさは”希望がない”まさしく、そこにある。


******



一大イベントの手術が終わり、果たして、こころはそこから、まじまじとがんと対峙することになる。
がんという病気はここからが本当の始まりなのだ。
そして、振幅する距離感を感じながら、こころは、何度でも、練り混ぜられるがごとく、その姿を不変とはしない。

最近はそおいうものだな、と、思うようになった。
怖いことは怖いけど、かといって、怖くて怖くて一日中震え上がるものでもないし。
腹のそこから笑えることだって、一日に一回や二回ばかりでわないし。
ご飯だって毎食おいしいし、めだかの冬越しが気になって仕方がない。

再度、尊敬してやまぬエッセイスト、岸本葉子さんの言葉とおいらの想いを重ねるならば、『五年後の未来が、私にあるかはわからない。その保障を、医師や代替医療や心のケアに求めない。先がまだ続くことを祈りつつ、生命の導くままに進むのだ。』

そうなのだ。生命の導くままに進むのだ。
そして、どこかで、こころの希望をこぼしてしまわないよう。



    (おしまい)




2006/11/1  11:03

投稿者:tami

お久しぶりです。
私の母も20年ほど前に癌に侵され、完治はしたものの、10年以上はその転移を恐れ、現在も再発するのではないかと不安を持っています。(そうは見えないほど元気ですが)
癌の怖さは、心にまで巣食うところなのかな、と母を見て思いました。何の病気でもそうなのでしょうが。
なった本人にしか分からない、下手な慰めや机上の論理が通じないのが「患者の心」なのでしょうね。

戦いはこれからですね。陰ながら応援してます。


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