今年の流行語には入ってなかったが、来年にはノミネートくらいはされそうな言葉にロハス(ローハス)がある。
町を歩けば「ロハス」、本屋に行けば「ロハス」、「ロハスヌード」なんてのもあった。何でもかんでも「ロハス」。。。
LOHASとは Lifestyles Of Health And Sustainability(健康や持続可能性を重視するライフスタイル)のこと。
環境に優しい、地球に優しい、人に優しい、フェアトレード、、、これらは21世紀を生きていくうえでのキーワードであることには間違いない。
しかし何か違和感を感じる。。。
なぜ違和感を感じるかと言うと、今ある環境問題などを個人の「ライフスタイル」の問題ととらえる度合いが高いように思えるからだ。
確かに、地球市民の1人として、環境に負荷のかからないライフスタイルを選択することは重要だ。
僕は自転車通勤だし、野菜・米は無農薬・低農薬の有機作物を産直で購入、肉は有機肥料をえさにした豚肉(これがムスリムになれない最大の原因)をこれも産直で。コンビにをできる限り利用せず、スーパーのレジ袋も、なるべくもらわない。
しかし、例えば健康に良いとされている食べ物(自然食品)などは総じて割高だ。例えば、国産小麦を使ったパンを売るパン屋が最近都会ではよく見られる。しかし、「高過ぎる」。
「セレブ」は買えるかもしれないが、庶民にはなかなか難しい。
国産小麦が高いのは、希少だからだ。日本の生産量は年間60万トン。うち、北海道産が35万トン。輸入は600万トン、だそうだ。
http://www2.odn.ne.jp/shokuzai/A2003/Komugi.htm
これまた健康志向で納豆の消費が増えている。しかし原料の大豆はどうか?
国内の大豆の年間使用量は約500万tで、国産大豆の生産量は20万t。
つまり自給率はたった4%しかありません。残り96%は輸入に頼っていることになります。
その大豆の輸入先の最大の相手国はアメリカ合衆国
アメリカから輸入される大豆の86%は遺伝子組み換え大豆です。
国内大豆生産量は年間約20万t。そのうち有機大豆の生産量はたった853t。総生産量の0.4%に過ぎません。
http://www.marukawamiso.com/databook/
小麦と大豆の例だけを挙げたが、日本の食料自給率は40%。単純に考えて、6割は輸入に頼らなければならない構造になっているのだ。
http://www.agriworld.or.jp/agrin/agrin1/index.html
中国産トマトが産地から市場、積み出し港から日本の港、そして市場と言う流通経路をたどり消費者に届けられるまで、いったいどれだけの輸送コスト(金だけではない。環境への負荷も含む)がかかっているのだろう?そして、このトマトが国産のものよりも安い。この事実は、どこかに矛盾=からくりがなければ説明がつかないはずだ。
これは一例だが、このような「からくり」に気付いた人たちが「フェアトレード」に取り組んでいるのだと思う。それはすばらしいことだと思う。
しかし、「個人の消費行動」だけでは根本的な解決は望めない。
上にも書いたが、個人の消費能力が低ければ、いくら「理想」が高くても行動には結びつかない。底辺の購買力を引き上げなければ、「ひとりひとりの行動を変える」ことによる大きな効果は期待できないのだ。
大企業の法人税が下がり、「ぜいたく税」が廃止されて消費税が導入され、税率は3%から5%へ、そしてさらに上げようとしている。定率減税も廃止される。
持てる者はさらに持ち、持たざる者からはさらに奪い取る。これでは「富の集中」は強まるばかりだ。
流行に敏感な日本人が、ロハスをきっかけとしてもいいだろう。自分のライフスタイルを変えることが、支配者の「手のひらで踊らされる」だけにとどまらないよう、「その先」を見つめてほしい。
世界には、この貿易矛盾の根本原因に自由主義貿易の弊害=WTOの弊害を見抜き、運動している人もいる。日本国内の矛盾をも見抜いてほしい。
余談になるが、日本でロハスを奨めている団体ローハスクラブの事務所は六本木ヒルズにある。
http://www.lohasclub.org/
この場所は、彼らの掲げる「持続可能」とは無縁の、町破壊によって生まれた場所だ。
http://www.hikaru-k.jcp-tokyo.jp/pdf/report/0404repo.pdf
都内、都心ならぶっ壊して昔からの住民を追い出してもいいのか? 都心には持続可能性は必要ないのか?
無視して生きていけと言うのか。。。

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