前振りはこうだったのね。ダイナミズムの息吹。ダイナマイト!
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しかし、革命は徹底的である。それはまた煉《れん》獄を通る旅の途中にある。革命は手順を追ってその仕事をなしとげる。一八五一年一二月二日までに、革命はその準備の半分を完了した。いまそれは、あと半分を完了しつつある。革命は、はじめに議会権力を完成して、それを転覆できるようにした。この仕事をやりとげたいまでは、革命は、執行権力を完成し、それをその最も純粋な表現につきつめ、それを孤立させ、それを唯一の標的として自分に対立させ、こうして自分の破壊力をことごとく執行権力にたいして集中できるようにする。そして、革命がその準備作業のこのあと半分をなしとげたとき、ヨーロッパは席からとびあがって歓呼するであろう。あっぱれ堀りかえしたぞ、老いたもぐらよ!と。
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で、続きはこんなの。前振りの解題。レーニン『国家と革命』を20世紀最高の書物と考える小生としては、ゾクゾクするねぇ。そして、もう、アップしていない後のほうになると、ネット右翼と言われる方々の欲望が表現されていると思う。ネウヨのほうが、下手なサヨクよりも革命的なんだよなあ。
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膨大な官僚・軍事組織をもち、複雑多岐で精巧な国家機構をもったこの執行権力、五〇万の軍隊とならぶもう五〇万の官吏軍、網の目のようにフランス社会の肉体にからみついて、そのすべての毛穴をふさいでいるこの恐ろしい寄生体、それは、絶対君主制の時代に、封建制度の衰亡のさいに発生したものであって、この衰亡を速める助けをした。土地所有者や都市の領主特権はそっくり国家権力の属性に変わり、封建的な高位大官は有給の官吏に変わり、相争うもろもろの中世的な全権の雑多な見本帳は、工場式に分業をおこない、仕事を集中化した一つの国家権力の整然たる設計図に変わった。ブルジョア的な国民の統一をつくりだすために、すべての地方的・地域的・都市的・州的な分立権力を打ち砕くことを任務とした第一フランス革命は、絶対君主制の始めた仕事、すなわち政府権力の中央集権化を発展させると同時に、またこの政府権力の規模や、属性や、属吏の人数を拡大せざるをえなかった。ナポレオンがこの国家機構を完成した。正統王政と七月王政は、分業を拡大したけかは、なにひとつつけくわえなかった。この分業は、市民社会内部の分業が新しい利害集団を、したがってまた国家行政のための新しい材料をつくりだすにつれて、拡大していった。村の橋や校舎や公有財産から、フランスの鉄道や国有財産や国立大学にいたるまで、およそ共通の利害はたちまち社会から切り離されて、より高い、一般的な利害として社会に対立させられ、社会成員の自主活動の範囲からはずされて、政府の活動の対象とされた。最後に、議会制共和制は、革命に対抗してたたからなかで、弾圧措置を強めるとともに、政府権力の手段を増大させ、その中央集権化を強めざるをえなかった。〔これまでの〕すべての変革は、この機構を打ち砕かずに、かえってそれをいっそう完全にした。かわるがわる支配権を争った諸党派は、この巨大な国家構築物を自分の手におさめることを、勝利者のおもな獲物と見なした。

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